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2018年11月4日日曜日 文化祭2日目(2)

 ミフユは他のチームに目をやると顔見知りはちらほらいた。放送委員会の川上さんと吹部の平さんはよく知っている。川上未来ちゃんは1年生の時に音楽の授業で一緒でその後も放送委員会との企画などで一緒になったし、吹部の平さんは部長だったからよく会議に出席してもらっていた。

 2年生チームは月山さんはクラス委員長で総務委員会に出てくれていた。確か熱烈な陽子ちゃんファンの子だ。陽子ちゃんと親しい肇くんには熱烈な敵意を表明しているけどミフユには特段好き嫌いもなく接してくれている。

 野球部の男女二人は知らない。1、2年生なので情報がなかったのだ。野球部は模擬店やったりとかした事はないので想像がつかないけどダークホースになるかどうかはないかな、多分。しかし油断はしないように料理の様子は注意しておこうとミフユは頭の中でメモしておいた。


 広乃はミフユも含めて高校生たちを観察していた。とりあえず男女二人のチーム(後で男の子の方が野球部だって知った)は「激辛!」「辛ければなんでも美味しい。胡椒もたっぷり使おう!」「ダメだよ、豪くん」とか聞こえてきたのでだいじょーぶかな。ミフユさん以外で脅威になりそうなのはあと2チーム。いずれも女子2人のチームだった。

 といっても広乃は自分でそう想像しているだけだし、勝負はミフユさんとの間で成立すればいいので気にせず打倒ミフユさんに意識を絞るべきと判断した。私たちはミフユさんには負けない。そしてその想いに見合った努力ができればいい。

 鼻息が荒い広乃ちゃん。ユウスケはミアキに小声で聞いた。

「広乃ちゃん、武者震い?」

「そうかもね。昨夜の打ち合わせも大成功だし負ける気がしないんだと思う。私もしないよ」

 そのミアキの意見にユウスケも黙って頷いて同意した。そう。広乃ちゃんの料理スキルはおかし作りからいろいろと手を広げていて上手だった。ファッションとお料理は彼女は上手くなりたいという願いがすごかった。これならお姉ちゃんを不意打ちにできるかもって夢を見られるぐらい。今日、私とユウスケは広乃のアシストで勝利を狙う。そう心に決めていたミアキだった。


 そんな中、観客の出入り口の引き戸や廊下側の窓が2年B組の生徒たちの手で外されて廊下からも見られるようにと準備が進んでいた。観客も教室内に入り始めている。ほどなくスタートだ。


 教壇中央に総合司会の亘理悠太が落ち着いた風で進むと観客と2年B組の面々、そして料理チームの熱気に満ち始めた教室を見渡した上で後ろの壁に取り付けられた時計を見た。ちょうど定刻になった。教壇の両側には司会・審判団の3人と審査員の5人が並ぶ。こちらも全員揃っている。審判団の山上紅麗亜との佐藤陽菜が頷いた。よし、始めよう。


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