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2018年11月4日日曜日 文化祭2日目(1)

 11時。調理実習室には出場する5チームが勢揃いしていた。ミフユ単独チーム、ミアキたち小学生チーム以外では吹部と放送委員会の3年生女子チーム、野球部の1・2年生チーム、2年生女子チームの合計10名。小学生3人組のチームに他の高校生チームから注目を集めていた。


 亘理悠太がブレザーの制服姿で教師用キッチンの前に立っていた。運動部らしい短い髪型だけど日焼けしてないのは体育館で練習するバレーボール部員だからかもしれない。

「出場チームのみなさん、定刻通り集合ありがとうございます。僕は総合司会を担当する亘理悠太です。えーと、まずは審判団の紹介をします。競技中のルール遵守を確認するとともに審議事項があれ審判団3人がジャッジします」

そういって隣に並んで立っているブレザー姿の男女三人を紹介した。

「審判団長の山上やまがみ紅麗亜くれあ、審判員の安平やすひら響子きょうこ今野こんの創太そうた。この三人は司会進行と解説も担当します」

 茶髪を長く伸ばしたスカート姿の女子生徒が華麗に、でも容赦なく亘理悠太の足を踏んだ。

「イテッ」

 そしてその女子生徒が説明をやり直した。

「正確には今野創太が解説担当兼務。私、山上紅麗亜とこのおかっぱ女、安平響子が司会進行兼務で審判を務めますのでよろしくお願いします」

紅麗亜がおかっぱ女呼ばわりした少し背の低い響子はスラックス姿で参加者たちを見渡すと横目でジロリと紅麗亜を睨んだのち深々と礼をした。

 そんな響子の様子を見ていた小太りのブレザー男子が一歩前に出た。

「はーい。今野創太です。お料理研に所属しているので解説を引き受けさせられました。優しく皆さんの料理の長所なんかを解説してアピールしたいと思ってますのでよろしく」


 足を痛がっていた亘理悠太は気を取り直してまとめた。

「あと審査員はクラスから男女計5名を選出しています。審査員はテイスティングして誰を推すか決めて観客にアピールを行います。彼らについてはまた競技が始まったら紹介します。この後、食材を取りに行く順番のくじ引きをします。その後、開始15分前になったらお客さんの入場を始めます。今の所、定刻通り始める予定です」


 事前説明の後、くじ引きが行われた。各チームの代表1名が出て手を突っ込みあみだくじの番号を選んだ。そしてあみだくじの先には食材を選ぶ順位が書かれていた。紅麗亜達審判団3人があみだくじの確認を行うとおかっぱ女こと安平響子が紙を片手に言った。

「では食材を取りに行く順番を発表します。ホワイトボードに書いていきますから見て下さい」

そういうと響子はマジックを手にすると5チームの名前を順序別で一気に書き上げた。

「上から順番に取って行ってもらいます」

 ・シェフは小学生チーム(浦田うらた広乃ひろの、古城ミアキ、春田はるたユウスケ)

 ・味わいデュオチーム(3A平たいら愛美まなみ、3E川上かわかみ未来みき

 ・野球部チーム(2A鈴木すずきごう、1E外山とやまかなで

 ・2Aピーチチーム(2A月山つきやまもも、2A華山はなやま明子あきこ

 ・古城ミフユチーム(3A古城ミフユ)


 こうして事前打ち合わせが終わり開始までその場で待機となった。ミフユはじっとキッチンを確認した。必要な調理器具一式は揃っていた。

食材は教壇のキッチンの方に用意されている。順番は不利だけど基礎的な食材はたっぷりあるから残り物には福がある事を祈りつつ作ろうとかんがえていたメニューに対して何が必要か目星はつけておいた。

 お子ちゃま達も静かに打ち合わせしながら調理器具や教壇の食材のあたりをつけている。確かにミアキもここのところ急速に料理の腕を身につけ始めている。お父さんも色々教えていて楽しいみたいだ。

といってもまだまだ初心者。油断しなければ大丈夫だと思うけど広乃ちゃん、ユウスケくんの力量は知らないからやっぱり気を引き締めてかかりたい。あの子達に全力を示す事が礼儀だと思う。


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