C級ビギナー戦、そびえ立つチートチャイナ! 6
時刻が18時を過ぎた頃、私の姿は帰りの電車の中にありました。
負けないと意気込んだものの、第一回戦の消耗が激しく、集中の切れた私は簡単な球や9番を飛ばし、ビギナーのハンデを持っても、なかなか試合を有利に運ぶことが出来ませんでした。
結果、ビギナー相手の敗者ゾーン一回戦は勝ち抜いたものの、続くC級戦で苦戦し、1-3で敗退しました。
キューをたたみ、ケースに戻すと、私はトーナメント表確認のため、運営席に向かいました。
表を確認すると、勝者ゾーンでは戦と打田さんが勝ち進み、準決勝で当たることになっていました。
「安心してタマちゃん、仇はとってあげるから」
ニッコリと笑って、試合テーブルに向かう打田さんの背中が大きく見えます。
本来なら、その四人の一角に私がいなければならなかったのですが、負けてしまったものは仕方ありません。
私は打田VS戦の試合を見学し、打田さんが3-0で戦を下すのを見届け、挨拶すると帰路につきました。
時間は18時、全部の試合が終わるのが20時とあって、さすがに門限に間に合わないので、退散することにしたのでした。
「ああ、濃い一日だったなぁ……でも勝ち抜いていたら20時超えるのか、お母さんになんて言おう……」
図々しい妄想を巡らせながら、キューケースを抱く形で電車の席に揺られていると、なんだか眠気が襲ってきました。
スー……
は! と気づくとそこは降車駅、慌てて電車を降り、夜空を見上げます。
星もまばらな郊外の空にぽっかりと浮かんだ月が、とても綺麗でした。
ふいに、lineの着信音が鳴ります。
相手は打田さんでした。
「優勝したぜ!」
添付画像には、トロフィと金一封をかざし、満面の笑みを浮かべたゴスロリメイドの姿がありました。
「もう、打田さん……優勝しちゃってどうするんですか……(笑)」
ま、ランク詐称もせず、正々堂々と戦って優勝したのだから、それは良い事なのでしょう。
「えーと、おめでとうございます、次はBC級戦ですね……と」
レスをすると、すぐに返事が帰ってきます。
「次はBC級戦のインターセプトだぜ!」
ははは……
どうやら打田さんは優勝すること以外にも、トーナメントの楽しみ方を持っているようです。
「さて、明日は学校でみんなになんて言おう……」
晩御飯を食べ、お風呂に入った後、私は鏡に向かい、負けちゃいましたの顔を、色々と練習するのでした。




