C級ビギナー戦、そびえ立つチートチャイナ! 2
その日はあっという間に来ました。
一週間毎日、優雅ちゃんや花音ちゃん、そして葉山先生の指導を受けながら、私は何とかC級ビギナー戦に参加できるだけの目鼻を付けて頂いたのでした。
そして迎えた日曜日、池袋ロサ会館のビルの前。
まるでビル全体が私を飲み込もうと襲いかかってくる・・・・・・そんなイメージが私を支配しました。
これまでも、一人でロサに来たことは何度もあります。でも、そこには渡会プロがいたからで、今日のように一人きりで来ていたわけではありません。
エレベーターの5階を恐る恐る押すと、やがて来た鉄の箱は、私を戦場へと運んでいきました。
五階に着き、開いた扉の先に広がった光景は、本気で球を撞く人たちの群れ。
このトーナメントで一番を獲る気概に満ちたプレーヤーと、それを応援する同好の士たち・・・・・・会場は、今まで感じたことのない緊張感で満たされていました。
「あの、小川球輝です・・・・・・ビギナーの」
「おはようございます、小川さん、トーナメント表は奥に掲示してありますので、確認してください」
受付のお姉さんが、トーナメント表を確認し、ニッコリとした笑顔を見せてくれました。
「はい! ありがとうございます!」
言われるまま、店の奥に進むと、テーブル席一つを丸々使った受付の壁に、トーナメント表が張り出されていました。
私の初戦の相手は・・・戦・・・さん? 中国人? 絶対に強いに決まってます!
しかも、いきなり外人です!
何ですか、これ? 何の意地悪ですか! せめて初トーナメントくらい、同じ日本人と戦いたかったですよ!
人種差別をする気はありません、でも、でも、人間には感情ってモンがあります。
互いの実力を駆使して戦い、試合が終わったらお互いの健闘を讃えて握手する・・・・・・
そんな理想的な、そんなスポーツマンシップな展開を期待していたのに・・・・・・いやいや球輝、中国人とはいえ、同じビギナー、友情はきっと芽生える・・・・・・信じるんだ!
「それでは一回戦、始めます、選手の方は準備してください!」
進行の店員さんがかけ声をかけます。
慌てて試合テーブルにつく私。対戦相手はすでにテーブルに着き、嫌らしい視線をこちらに向けています。
「うう、なんだこの威圧感・・・・・・」
萎縮する私のメンタルを意にも介さず、トーナメントが始まりました!




