遅れて来た少女! 漆黒の女王見参!! 2
翌日、ビリヤード部々室。
4人の部員が待ち構える部室に、彼女はやってきました。
「ようこそビリヤード部へ、で? どういう体験をしたいんだ?」
紗絵美さんの表情を全く読まず、優雅ちゃんが問います。
「勝利体験……あなた達を負かして、勝利の味を体験したいわ。対馬優雅……とくにあなたにはね」
「やっぱりそう来たか……良いぜ、誰からやる?」
「全員を相手にするには時間が勿体ないわ、ジャパンで行きましょう」
「ジャパン? 生憎だが、私たちは賭け球はやらないんだ」
「おカネなんか賭けないわ、単純に点数を競い合うだけ……いかが?」
「ま、そう言う事なら構わないぜ? なあ、みんな!」
「あの、ジャパンって何ですか?」
二人の会話をポカンとして聞いていた私、ジャパンって一体何なんでしょうか?
「あなたは?」
「小川球輝、ビギナーです」
「そう、それじゃあ仕方ないわね、教えてあげる」
そう言って、伊庭さんは私にルールを説明してくれました、意外に良い人なのかも知れません。
伊庭さんの説明を要約するとこうです。
まず、基本ルールはUSナインボールと同じ、1番を除く3・5・7・9の奇数球が点球と呼ばれ、コーナーにポケットすると一点、サイドにポケットすると二点が貰える、9番だけは特別で、コーナーで二点、サイドで四点貰えます。
もちろん、コンビネーションショットで途中で点球を落とすのもあり、その場合は落とした球をフットスポットに戻し、ゲーム再開する。
これを10フレーム続けて、合計得点を競い合う競技です。
点数の付け方は独特で、例えば1フレームの結果がプレーヤーAが点球を3個落としてBが9番をコーナーに落し、Cが一個も入れられなかったとします。
点数計算は、0点のCがAに3点、Bに2点払うので-5点、Aは3×2で6点入れて2点払うので+4点、Bは9番を沈めて二点×2で4点獲得、Aに3点払うので+1点になります。
通常は賭け球で多く使われるゲームで、1点100円とかをかけて競い合うそうです。
例えお金を賭けなくても、賭け球のルールでプレーするのは気が引けます。
「葉山センセェ……」
葉山先生に助けを求めると、先生は意外なセリフを口にしました。
「競技ルールとしては面白みがあるわね、お金を賭けないなら、体験してもいいんじゃないかしら」
「どうやら決まりの様ね、撞く順番はあなた方で決めて良いわ、早く始めましょう?」
伊庭さんはやる気満々です、撞き順をアミダで決め、一番手は麻耶ちゃん、二番手は花音ちゃん、三番手は伊庭さんで、四番手が優雅ちゃん、私は5番手になりました。
このゲーム、人数が増えるほど得点の開きが大きくなります……絶対におカネ賭けたくないよー。




