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部室争奪戦、初めてのハンデ戦!

葉山先生を凹ませてしまったのかも知れません……。

私が複雑な心境で俯くと、先生は温かい言葉を下さいました。


「アナタのそのキュー、良く見せてくれないかしら……」

「はい、どうぞ……」


私は渡会プロからお借りしたキューを差し出します。


「なるほど……アナタが上達した理由が分かったわ……」


先生の表情は優しく、そして寂し気でした。


「先生……?」

「部活の再開に際し、設備を整えたいから……来月まで待ってね」


葉山先生は、にっこりと笑いました。

私を始め、優雅ちゃんも花音ちゃんも麻耶ちゃんも、その笑顔に希望を見出したのです。


その後、あんな事件が起きるとは思わずに……。


私たちが見守る中、部室のビリヤード台には業者の方々による様々な手入れが施され、台には新品のラシャがタイトに張られ、私たちが掃除して徹底的に埃を追い出したことも含め、ビリヤード部再発進の準備は着実に整いつつありました。


そんな中、ビリヤード部のプレハブ小屋を訪れた一団がありました……かつて葉山先生が追い出した不良ビリヤード部員……先輩たちです。


「なんだー、部室開いてんじゃん♪」

「葉山の馬鹿、ついに折れたかー、パワハラぶりをネットで拡散させたもんねー……」


「なんですか、アナタたち?」


血気盛んな優雅ちゃんが食って掛かります。


「私たちはビリヤード部員、アナタたちの先輩だよぉ……?」

「生意気な先生のせいで追い出されちゃったけど、部活は辞めてないの……」

「部室が解放されたら、帰って来るのが当然でしょう?」


明らかな悪意、明らかな侮辱、彼女達は明らかな不良……。


私たちと先生を侮蔑してニヤニヤ笑う、先輩を名乗る彼女達……彼女たちが葉山先生を追い込んだんだ……私の心に怒りの闘志が芽生えます。


「アナタたちは部を追い出されたんでしょう? 何故そこまでしてビリヤードにこだわるんですか?」


花音ちゃんが問います。


「それは、技術介入度100%の、ちょろい賭博だからよ!」

「ビリヤードが、賭博だと……?」


大西さんの瞳にも、怒りの炎が灯ります。

私は……私は……。


「び、ビリヤードはスポーツです! 決して賭博の道具じゃありません!!!」


気が付くと、心の底から叫んでいました、すると、次の瞬間……。


「げはははは! だっせー!」

「こいつ、クリーン厨だぜ!」

「勝てない理由を探してやがる!」


必死になった私に対し、口々に侮蔑の言葉を浴びせる先輩たち。


「……じゃあ、勝負しようぜ」


優雅ちゃんが口を開きます。


「あ……?」


「一週間後、4対4のマッチ戦を申し込む……勝ったら向こう三年間、私たちの活動に口出しする事を止めてもらう……もしも負けたら、三年間、お前らの舎弟になってやる!」


え、え、えええ……!?


優雅ちゃんのこの宣言……安堵したのも付かぬ間、私はなし崩し的に戦争に巻き込まれたのでした……!


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