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振り、厚み、スロウ……ボーラード大特訓!:2

「タマちゃんが当てたい厚みは、これで良いんだよね?」


そういって、渡会プロが先端の球をイメージボールの位置に置きます。


「はい、それです、そこです」

「じゃあ、センターショットの要領でこの球の厚み100%に向けて真直ぐ撞いてみて」

「はい……」


私はおそるおそる構え、手球をイメージボールの位置に運びます。

それを確認し、渡会プロがキューボールをどけました。

手球は的球に当たり、ポケットに向かうと思いきや……。


「あ!」


的球は左ポケットの奥の角に弾かれ、あさっての方向に転がっていきました。


「どう?」


渡会プロがニヤリと笑います。


「これを、スロウと言います」


ポカンとしている私に、渡会プロが言いました。


「スロウ……手球と的球が接触すると、わずかな摩擦が掛かって、的球の進行方向が理論値に対して厚めに進むの」

「?」

「分からないか……つまりはこう、手球が当たった瞬間……こう……的球が手球の進行方向に引っ張られるのよ……」


二つの球を手に持って、スロウの仕組みを解説する渡会プロ。

私にはチンプンカンプンです。


「タマちゃんには論より証拠か……今度は私が厚みを測るから、そのように撞いてみて?」


再び球を配置し、キューボールを置くと、私に厚みを見に来いと手招きします。


その厚みはコーナーの中央ではなく、わずかに手前の角に向けて撞くように配置されていました。

その厚みに向け、撞くように促される私。

半信半疑で、イメージボール100%の厚みに手球を運びました。

キューボールがどけられ、弾かれた的球は……。


「ど真ん中だ……」


その球は、コーナーポケットの中心に沈んでいきました。


「これが「入れ」の予備知識……スロウの見越しです」

「それじゃあ、これからは最初にポケットの中心に向けた厚みを測って、そこにスロウの誤差を修正して狙えって事ですか?」

「あはは! まさか! いちいちそんな事してたら気が狂っちゃうよー!」


私の問いに、渡会プロがカラカラと笑います。


「ま、実際にスロウの影響は定量化できないから、あまり深く考えたらダメなんだよ」

「タマちゃんに覚えてもらうのは、最初からスロウの誤差も含めた「入る」厚みの見方……ポケットの「匂いの嗅ぎ方」です!」


そう言って、ウィンクする渡会プロ。


「今からこの手球付き棒を使って、私が体得した厚みの感覚でイメージボールを指し示します。タマちゃんには手球の真後ろの位置から的球の厚みをよく見て、ひたすら100%の位置に手球を撞き込んでもらいます……ただし、撞点は球の中心、押しでも引きでも捻りでもない、正確な中心を撞く事……いいかな?」

「はい!」

「じゃあ、早速やってみよう……ラックを組んで、ブレイクして?」


私は言われるままにラックを組み、構えました。


「ブレイクの強度は、センターショットより少し強め……撞点はセンターより少し下……厚み100%に集中して、先頭の球を真直ぐ見つめ……撞け!」

「はい!」


私が撞いた球はラックを割り、10個の球がテーブルの四隅に向けて散っていきました。

私のボラード特訓が……始まったのです!


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