表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/45

振り、厚み、スロウ……ボーラード大特訓!:1

対馬さんたちとは、あれからすぐに意気投合しました。

クラスは違うけど、昼休みには一緒にお昼を食べています。


「そっかー、ロサの渡会さんにねー……」

「センターショットから教えてもらってるんです……」

「で、モノになりそうなの?」

「一応、一ヶ月で目鼻は付けてくれるって約束してくれました」

「ま、頑張るのはタマちゃんだけどね?」

「そーなんですよー……! 本当に出来るんでしょうか……」

「そんなこと言わないで、ウチらの高校生活が懸かってるんだから」

「対馬さん、言わないで下さいよー……ただでさえプレッシャーなんですから……」

「ま、どちらに転ぶにせよ、渡会プロにお任せするのが正解でしょうね……私たちがアドバイスすると、かえっておかしくなっちゃうでしょうし」

「船頭多くして船山に登るって奴だね……渡会プロなら大丈夫だよ、多分」


ランチの会話からして重苦しくて申し訳ないのですが、私の不安とプレッシャーは日に日に増していきます。


「所でさ、タマちゃんは何で敬語なの? 同級生なのに」

「それは、皆さんビリヤードの先輩ですし……」

「それは違うわ、私たちはこれから三年間、一緒にビリヤードをして過ごす仲間じゃない」

「そうだよ、もっとフランクに、打ち解けて行こう?」

「よし! 今から敬語禁止! 名字で呼ぶのも禁止! お互い名前で呼び合おう!」

「対馬さん……」

「だから、私は優雅だって!」

「優雅……さん?」

「優雅ちゃん!」

「私は花音」

「私の事は麻耶って呼んでね?」

「みんな……ありがとう!」


私は胸が熱くなって……瞳の端に涙を浮かべました。


「ま、タマちゃんのチャレンジが成功するまで、ウチらはホームでまったりとしているからさ、渡会さんとの練習に集中しな?」

「ホーム……ですか?」

「常連になっているビリヤード場の事よ、私と優雅ちゃんは高田馬場なの」

「私はロサだよ、何を隠そう……ね」

「え、麻耶ちゃんそうなんです……じゃなかった、そうなの?」

「うん! だからタマちゃんの練習見守ってあげる!」

「こーら、そんなことしたらタマが緊張するでしょうが! アンタは私たちと一緒に来るの!」


 優雅ちゃんに襟をつままれ、連れていかれる麻耶ちゃん。

みんなで一斉に笑い出します。

 素敵な友達……同じ目標を持った仲間……彼女たちの為にも、私……頑張ります!


放課後、ビリヤード・ロサ……。


「お帰り、タマちゃん……さっそく始めよっか?」

「はい、よろしくお願いします!」


微笑む渡会プロ。

キューを握る私の手に力が籠ります。


「じゃあ、まずは基本的な用語の解説から……ストレートじゃない、球についた角度を振りと言います、そして、振りの角度を表す言葉が厚みです」

「振りに、厚み……」

「例えばこの球……」


渡会プロが的球を一個転がし、ヘッドスポット付近に置きます。

次に、手球をフットスポット付近に置いて……。


「この球を左のコーナーに入れたい時、タマちゃんならどうする?」


……待ってました! 実はネットで予習をしていたんです……これは知ってますよ、イメージ・ボールです!


「はい! ポケットの中心と的球を一直線に結び、的球の背後に手球が来るように狙います!」

「ブー! 不正解!!」

「え!? なんで!?」

私の知識を一瞬で砕いた渡会プロがニヤリと笑います。


「分からないでしょう? じゃあ、これを使って実際に見せてあげる……」


渡会プロはそう言って、キューの先端に手球が付いた器具を取り出しました。


そして私は見る事になるのです、ビリヤードの「入れ」の真実を……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ