その拾陸―龍と狼―
武士櫻の闘いも、いよいよ大詰め
遂にあの"ふたり"が動き出す――!!
それぞれの色で敵を瞬く間に倒していく綾人、直樹、英莉衣の三人。
一方で、一心同体の姿で見事な連携技を魅せるは健二郎と恭徳の月健だ――
敵味方が入り乱れる戦場も、いよいよ大詰めを迎えていた――
その中でも、飛び抜けて異彩を放つのは、やはり龍二と臣だろう。
「櫻壽!!」
躍動的な気合声と共に、その巧みな千本櫻の捌きで、華麗なまでに花びらの如く敵を吹き飛ばす臣。
一方の相棒も負けてはいない。
龍二は眼光の先で敵陣を捉えると、大きく刀を振りかぶる。
「龍紋多岐!!」
龍二の愛刀――御室有明
波紋は龍の鱗の如く、その太刀から放たれた凄まじい太刀風。
それはまるで天を駆ける龍の如く、素早く上空に昇り斬り裂いていった――
それを受けた敵陣は、殻を破った芥子の種の如く四方八方に飛び散った――
「――くっ……」
突如、龍二が苦悶の表情を浮かべ、顔面を片手で押さえた。
あの時、敵に斬られた傷口が疼くのだろう。
敵は確実に減ってはきているが、このまま続けていれば、龍二のみならず他の仲間達も、出血多量で生命の危険が伴う。
もう一刻の猶予も許されていなかった。
「おい。龍二……」
突然、声をかけたのは臣だ。
(…………?)
「"十秒"手を貸せ――」
「――!?」
予想だにしなかった臣の言葉に、一瞬驚いた表情を浮かべる龍二。
今まで誰の力も借りず一人で戦ってきた一匹狼の臣にとっては、人の手を借りることは初めてだったのだ――
「おう!」
押さえていた顔から手を離すと龍二が嬉しそうに、微笑んだ。
臣もふっと口端を上げると、相棒の隣に並んだ。
遂に三代目侍の中でも、最強と最凶と呼ばれる二人――臣龍が動き出したのである。
***
臣龍は静かに目を閉じると、
「想い馳せるは人の世の理――」
「咲いて散る桜の消え逝く宿命なら――」
まるで詩のように奏でるそれは、二人とも厳つい顔立ちにそぐわず、不死鳥のように美しい高音の音色だった。
一瞬の間を置いて――臣龍は同時にカッと目を見開いた。
その凛とした鋭い眼差しは、輝く"蒼"の瞳だ――
それと同時に、臣龍を取り巻くように蒼い炎がゆらゆらと揺れて見えた。
それは幻か、目の錯覚か否か。
龍二の背中には巨大な龍の翼――臣の腰には魔犬のような尾が見えたのだ。
激しく燃える二つの炎は消えることなく――
臣龍はゆっくりと愛刀をそれぞれ構えると、
『龍牙――!!』
同時に力の限り刀を振りかぶると――大和魂の力を秘めた、最強の大技を繰り出したのだった。
御室有明と千本櫻――二つの名刀から繰り出された蒼の斬波が絡み合いながら進み、交じり合ってひとつになる――
――バキバキバキ!!
凄まじい轟音と砂埃を上げながら、龍の如く舞い狼の如く切り裂いていく――
それは広範囲にも及び――
「――って、こっちもやべぇ!!」
「おいおい! 見境なしかよっ!!」
「兎に角、逃げるぞ!!」
その凄まじい斬撃に危うく巻き込まれそうになった綾人達も、慌てて逃げ出したのだった。
この場面は特にノリノリで書いてました(^^)
我ながらFFっぽくなったな〜って思うw




