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S.A.K.U.R.A.~蒼の魂~  作者: 猫人間
【第弍章】武士櫻の闘い
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その漆―黒影―

 ――此処は、とある山の山頂。

 ここからは、武士櫻及びその周りに至るまでの様子がよく見渡せた。


 その情景を見下ろしている、一つの人影。

 風に吹かれ、一つに結んだ馬の尾のような長髪が揺れている。


 先程まで闇夜を照らし続けていた上弦の月は、厚い雲にその姿を隠している。

 それ故、その者の容姿、性別に至るまでは確認する事ができない。


 辺りは静けさで、聞こえるのは吹き抜ける夜風の音のみである。


 その沈黙を破るように、ガサガサと草陰から音がした。

 その矢先、もう一つの人影が現れ、片時も動かない先に来ていた者の隣に立つ。

 短くまとめた髪に、背丈は三寸(※九センチ)程高めである。


「どうかしたのか?」


 後から来た者が言った。

 高低が安定していない、声変わり途中の男児のような声だ。


「どうやら、少し風向きが変わったようですね……」


 もう一人は、低くはないが落ち着いた静かな物言いをする。

 その声音からして、背丈は劣るものの、後者よりも年上の印象を受ける。


「行きますよ…………」

「あ、待って!」


 そう告げて、踵を返し歩き出す前者を、後者が慌ててその後を追った。

 二つの人影が再び闇の中へと姿を消した。

何やら不穏な二つの影……

一体、何者なのか?

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