その拾壱―大和魂―
※この先、一部キャラ崩壊している描写がございますが、
気にせずこのワチャワチャ感をお楽しみください(w)
キャラのイメージを崩したくない!という方は
その部分は、サラッと飛ばしてお読みになる事を
お勧めしますm(_ _)m
「よっしゃーー!!」
綾人達は歓声をあげながら龍二と鞍馬の元へ駆け寄って行った。
「お前達……まったく……心配したぞぉ……」
綾人が安堵のあまり泣きじゃくる。
「龍二さぁ〜ん!!」
恭徳が龍二に駆け寄っていき飛びつく。
「二人ともほんと無茶苦茶だな……」
英莉衣が苦笑しながらも、右手を握り締め親指を立てた。
「龍二! 鞍馬! ったくお前ら! 心配させやがってぇ……!!」
「ちょ、痛っ! 痛いって!!」
健二郎が龍二と鞍馬の背中を、バンバン叩くので二人は顔を顰める。
「そういやぁ、"鞍馬"だけ苗字で呼ぶのもなぁ……えーと、鞍馬……名前なんだったけ?」
ふと気付いた綾人が、鞍馬に聞いた。
「俺は……武臣だ……」
「たけおみ?」
「たけおみ……たけおみ……」
直樹と英莉衣は噛みまくっていた。
「ああっ!! 呼びにくい名前やなっ!!」
「ほっとけっ!!」
投げ出す健二郎に鞍馬が怒鳴った。
「もっと呼びやすく……"武"とか?」
恭徳が提案する。
「いやいや……"武"はあかんやろ……"丈"さんがおるし……」
市原虎の尾の総長で、朱雀の総指揮。鴛鴦丈芳の愛称は――丈さん。同じ"タケ"の呼び方は色々と気を遣うらしい――
「んじゃあ……"おみ"!!」
突然、そう言ったのは龍二だ。
「おみ!?」
驚く鞍馬。
「あ、いいじゃん"臣"! 呼びやすいし。んじゃあ、これからは"臣"って呼ぶな!」
綾人は気に入ったようだ。
「よろしくな臣!!」
「おっしゃ! 臣やな! よろしくな! なんか困った事があったら、この健ちゃんを頼るんやぞ!」
「よろしく! 臣!」
「よろしくお願いします! 臣さん!」
皆も"臣"の呼び名が気に入ったようだ。
「ったくお前ら……勝手にっ……! まあ、いいけど。ほんと自由な奴らだな……」
自由な仲間たちに鞍馬が呆れるも、その表情に緊張はなく穏やかだった。
かくして、鞍馬は"臣"と呼ばれることとなった。
「臣ー! これからもよろしくなっ!! 俺達仲間っ!! なーおみ~っ!」
龍二は鞍馬――改め臣の肩に手を回し、やけにまとわりつく。
臣の体が少し強ばった。
「ねぇねぇ。臣~臣~臣~おみ~っ~」
龍二の中で"何か"が弾けたのか、臣にまとわりつき名を連呼する。
その様子に、痺れを切らした綾人と直樹が止めに入った。
「龍二! もう止めといてやれ……」
「あの……臣がガチで引いてっから……」
確かに臣の顔は心無しか引き攣っている――しかし、龍二は構わず、
「えー臣ーなんか言ってよっ!! 臣~」
「はははっ……」
(おいおい、こいつ大丈夫かよ……)
臣は口端を引き攣らせて、ただ笑うしかなかった――
「龍二……なんか性格変わってないか?」
「お前ら……」
「龍二さん……」
英莉衣、健二郎、恭徳は若干引いている。
(本当に大丈夫かな……? なんかこれはこれで、別の意味で心配になってきたぞ――)
新たな心配事が増えた綾人であった。
***
「んまあ……何はともあれ、これで全員揃ったわけだ!! この七人で武士櫻を守るんだ!!」
気を取り直して、皆を見渡しながら、綾人が言った。
「しかし……武士櫻の方も気になるが……俺は此処を離れるわけにはいかない」
まだ迷いがあるように神妙な面持ちになる臣に、優しく綾人が言った。
「ここがお前にとって大切な場所であることは、俺達にも分かるよ。だからお前のその宝、俺達にも守らせてくれよ。もう一人で背負い込むなよ。俺達、仲間だろ!!」
「お前ら…………」
綾人が手を伸ばす。
直樹、英莉衣、健二郎、恭徳がその上に手を重ねる。
龍二が臣の方を見て、大丈夫だと頷きながら手を重ねる。
最後に臣が意を決したように手を重ねた。
すると七人の瞳が青く光り輝いた。
今この瞬間、遂に"真の大和魂"が宿ったのだ――
「行くぞ!!」
綾人の掛け声と共に、皆が気合いを込める。
「おう!!」
龍二――大丈夫?って心配された方、
安心して下さい。龍二は今まで抑え込んでいた
"何か"が臣という存在によって、弾けただけですw
二人は少し仲が良すぎるだけで、これ以上の発展は
ございませんので、温かい目でこれからも
二人を応援して下さいww