幻想機神バキャボギャス

1-7

　ゾイドを歩かせて何十分。

　山の木々が段々と薄くなっていくと、それはハッキリと姿を現すのだ。

　少年は隠れ里を見て、小さく息を吐いて呟いた。

　「早く……伝えなければ………」

　敵、ガンテスがこの地にやって来たということは、そう遠くない未来に里が見つかるのも必至ということなのだ。つまり、里に集中攻撃を仕掛けられたら壊滅は避けられない。

　少年は一刻も早く伝えるべく、大きな足を前に出し、人間同様の動きをさせながら急いで山を降りていった。