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少年というには大きく、力強く逞しい体格をした彼は、迫り来る悪と戦うために、その大きな甲殻を身に纏ったような体裁の悪魔に手を掛けて、叫んだ。
「乗せろッ!ゾイドっ!」
するとたちまちに光が彼をつつみ、光の玉となって空へと飛んでいき、巨体のてっぺんにある大きな鏡のような部分へと吸い込まれた。
しかし、悪魔に変化はない。
そこにまた、あの咆哮が響いた。
「そうはさせねぇッッ!」
咆哮がエネルギーにでもなったかのように、敵機の上半身が上へと浮き上がり、腹部に大きな穴が現れる。
ゾイドは彼の父親が乗っていたロボットの後継機で、正式名称はAG-6 ボギャス。