アリスと寝床
更新が途切れたままで申し訳ないです。今回からは近年のVRブームに乗る形となります
昼ご飯はいつもの、気のいい弁当屋さんの残り物をもらってきた。
いつもは笑顔で今日は何をしたとか、次は何処へ行きたいなんて言ってくれる妹。
だが、今は何だか元気がないようで、ちらとこちらを見ては、また顔をそむける。
どうしたものか……。こんなことは今までなかった。
そんなことを考えていると、アリスは器を差し出して言った。
「ごちそうさま。……もう寝ていい?」
「……うん、おやすみ」
「おやすみ……」僕は小さな背中を見送った。
数メートル先にアリスが住処にしたところがある。
悲しんでいるような背中は、道を曲がって見えなくなった。
「アリス……?」
翌朝、僕は一人で自分の拠点を漁り、隠していた硬貨を探していた。
それこそが僕たちの全財産だったものであり、総額百六円にしかならなかった。
「これだけか……」ぺたりと破れたクッションに座り込む。
目の前に並べた硬貨をにらんでいた。
Lv:1
順位:(399)
名前:コウジ
年齢:(12)
性別:男
同盟:総統と素人
ポイント:30
現金:106
攻撃 *
防御 **
素早さ***
教養 *
頭脳 **
Lv:1
順位:(400)
名前:アリス
年齢:(9)
性別:女
保護者:(コウジ)
同盟:総統と素人
ポイント:25
攻撃 *
防御 *
素早さ***
教養
頭脳 *
するとそこへ、クリアな音色が聞こえて来た。
引き出しの開かない箪笥の上に、神棚がある。
そこにカードを置いていた。
画面に『シュージ』の文字。支援の内容を、今日話すことになっていたのだ。
「こんにちは、シュージさん」