不穏
カリルとアザレアが着いた場所は更地だった。
周囲の街並みを無視してくり抜いた様な違和感が強かった。
「ねえ、カリルは学園に来る前まではここに通ってらしたのよね? 何か変わった事は無かったかしら?」
「私が居た頃は至って普通でしたよ。 こんな風に更地でもありませんでしたし。」
「となるとつい最近になって無くなった……。 貴方達は何か情報は知りませんこと?」
アザレアが声を掛けたのは護衛に付いている人達だった。
「は!! 我々は特にはそう言った情報を聞いてはおりません。 恐らくですがほんの数日での出来事かと。」
「そう、ありがとう。 引き続き護衛を頼むわね。」
「了解であります!!」
こうして護衛の方達は自分達の持ち場へと戻った。
だが、戻るはずの一人がこちらに近づいてくる。
「アザレア様。」
「どうしましたの? 持ち場へ戻って下さっていいのに。」
「いえ、個人で気になった事があったので調べていたらアザレア様の仰ったフーニャシアと言う名に聞き覚えがありましたので直接伝えようかと。」
「そうなのね。 少し場所を移しましょう。 カリルもそれで良いわね?」
「私は良いですよ。 博士の情報ですしアザレア先輩に任せます。」
「ありがとう。 では、行きましょう。」
向かったのは個室がある料理屋だった。
店主に話を付けて個室へと通される三人。
「それで貴方、名前は?」
「は!! 俺の名前はオオイヌと言います!! 入って間もないのですが神聖国について調べていた所、神聖国から逆に接触して来た輩が居たのです。」
「なるほど。 なんらかの手びきもしくは内通者を増やそうとしていたか実行犯を用意したかった辺りなのね?」
「はい、その通りです。 私に拉致の依頼を願いたいとの事でした。 流石に断りましたが。」
「当然よね。」
これで依頼を受けていたなら余程お金に困っているかそう言った事を生業にしている人くらいだろう。
オオイヌの変装がそれ程に高く浮浪者に見えたのも大きかったのだが。
「それからどうしたの?」
「何か異変の兆しかと思い依頼以外で手伝いが無いかと少しの間ですが一緒に過ごしておりました。 と言っても向こうも警戒していたのか本当に雑用しか頼まれませんでしたが。」
「貴方がそいつらと居た時にフーニャシア博士が捕まったと言う情報は?」
「全く。 恐らくですが逃げ延びているか近くで隠れているのだと思われます。」
こいつ中々に使えるわね。
カリルは二人の会話を黙って聞いてアザレアはオオイヌの有用性に気がついたのだった。
遅くなりました。
やる気が出ないって曲者ですね。
モチベーションを保つ事は難しいですね。




