グルールの者
少しだけ時間は遡る。
グルールは宣戦布告を受けた。
とは言っても既に一日経っている。
エルフを連れ去り奴隷にした者共を探し開放しろと言った内容であった。
期間は設けてあるが短すぎる。
恐らくだがこれは失敗する。
開戦したと同時に降伏しそれまでの結果を報告し彼らと手を取った方が良いだろう。
グルールの王は聡明であり高潔であった。
それはカリスマであり器なのであろう。
だが、だからこそ腐った者は群がるのである。
「おい!! 誰か居らぬか!!」
「はっ!!」
王の呼びかけに答えたのはもっとも信のおける古き友人であった。
「エルフの彼らに使者を送れ。 嘘偽りのない様にな。 封書を儂が直筆する。」
「御意」
「宣戦布告だがよい機会なのかもしれぬな。この国の膿を取り除く時なのだろうよ……。」
「王よ……。」
王は少しばかり目を閉じ俯く。
そして俯いていた王は決心した様に顔を上げる。
「儂は決めたぞ。 後継を娘に任せる。 友としての言葉だ。 ゼラよ、娘を頼むぞ?」
「仰せのままに。 こちらからも。 ゼラニウム、長い間お疲れ。 だがまだまだ生きてくれよ?」
「ふははは。 お前には適わんよ。 何年生きておる?」
「さあな、百を超えてからは数えるのが面倒になってな。 誕生日だけ覚えておけば祝っては貰えるもんさ。」
「そう言う物か。」
「そう言う物さ。」
他愛もない友人達の会話。
旧友が努めを辞め名残を過ごそうとしているのだ。
良い未来を夢見て。
ゼラが王室から出た時だった。
轟音が街から響いたのだ。
慌てて王室に入る。
「王よ!!」
「ゼラニウム!! 至急に情報を集めよ。 エルフらを見張らせている者も少しは戻らせて報告させろ!!」
「御意!!」
事態が大きく動き出すのは早すぎたのだった。
思いつくままに書いたら番外みたいになってた。
ポイントが100を超えて嬉しいので感謝の極み。




