アザレアの祖
主人公回です
アザレアの申し出から三日が経った。
今日は奴隷国家グルールへ向かう日になった。
メンバーは俺・アリア・エルネ・カリルの4人にアザレアを加えた合計5人である。
学園はどうしたのかと言われれば連れ戻される学生達に紛れる事ですんなりと門を出る事が出来た。
多分だがカリルに同行する事も出来たと思うけど今は悪い意味でも混乱しているせいで何を言われるか分からない。
そんな中、馬車に乗り込む前にアリアがアザレアに質問をした。
「そう言えばなんですが、アザレア先輩はグルールに行った事はあるんですか?」
「妾か? そうね、遠い親戚が居るくらいよ」
やっぱりちぐはぐ感がある話し方だな。
「親戚ですか?」
「うむ、妾の家は元々は奴隷が始まりなの。 大昔に奴隷達による革命が起きたのよ。 その中の一人が私の祖。」
大昔って言われると制約魔法を生んだ戦争とかしか思い浮かばないが合ってるかな?
そう思って俺は素直に聞いてみる事にした。
俺が聞くとアリアは黙って聞く事にしたみたいだ。
「それって命を消耗品として扱った戦争時代の事ですか?」
「あら、意外と勉強してるじゃないの。 ええ、その通りよ。 今は禁止魔法とされている制約魔法を生んだ少し後ね。 なんの罪も無い人を密告しあって奴隷に落としていった。 ここからは言わずとも分かるわね」
なんとも酷い状況だ。
自分の命の為に隣人を冤罪で殺す。
守り合う民同士での殺し合いと何も変わらない。
「制約魔法が禁止されて奴隷狩りや一時的に魔法の研究なんかも禁止されたのだけど、問題になったのは奴隷狩りよ。」
「禁止されたのに奴隷狩りは止まらなかった。 正確には止められなかったんですね。 それ程に奴隷と言う存在と仕切る組織が大きくなりすぎていた。」
「その通りよ。 そんな時に妾の祖は革命を起こした。 奴隷に落とされた人達を纏め上げ国を作ったの。」
それが奴隷国家の成り立ちか。
「国を作った後は妾の祖は国を出て別の国へ移住して功績を上げる事に成功し貴族になったのよ」
「こんな事を話して良いのですか? アザレア先輩の家が秘匿するべき物では?」
「良いのよ。 歴史を読み解けば自然と分かる事実だもの。 それよりも妾から話して貴方達の信頼が欲しいもの。」
信頼が欲しい、か。
なら俺からも一つお返しするか。
「アザレア先輩」
「何?」
「この前の事件で制約魔法の後継者を見かけましたよ」
爆弾発言だったのかアザレアは言葉を失って口を開けていた。
女性がその表情はどうかと思う。
アザレアの設定と奴隷国家の設定と大昔の戦争時代を繋げるのが凄く楽でびっくりしました




