別の恐怖と練習2
ばあばら倒れた後の話を聞いた所。
固まった魔物を軽く振った剣で一刀両断したそうだ。
ダインさん凄い人なんじゃ・・・?
いや、二人と一匹で村を守った時点で凄かったわ。
「ペパや、意識が無くなる前の事を覚えているさね?」
「あんまり覚えてない」
嘘を付いた。
今はしっかり思い出している。
止まれと言っただけで魔物の動きが止まった事を。
「それなら良いさね」
その言葉だけ言うとセリアは部屋から出て行った。
一体なんだったんだろうか?
今は分からない事だらけで体をもう少し休める事にしたのだった。
-----------------------
夜
ハルニール邸
ダインとセリア、そしてフォーリーが話し合っていた。
「それでペパ君は何か覚えていましたか?」
「ペパ自身は覚えて居ないらしいさね。まだ子供だし仕方ないさね」
「そうですねぇ、まだ三歳で・・・。そうだ、セリア殿。ペパ君の加護が弱くなっていると言う話ですが本当ですか?」
「間違いないさね。話した時に殺気を込めて近づいてみたが何も無かった。昔は近づいただけで吹き飛ばされていたもんさね」
ダインとフォーリーは息を飲む。
この世界に存在する加護は消える事の無い物。
しかし、極めて少数しか加護を持っている者が居ない。
だから、国でも重要視されたりと色々あるのだが
「これで一安心さね。国に追われる身にならずに済むって言う物さね」
「ええ、ペパ君は私達が守りますとも。なにせセリアさんの子ですもの。」
「はっはっは、フォーリーがそう言うとは珍しいじゃないか!」
「何を言っているのあなた!アリアを守って村までも救って大けがをしたのですよ!大人がちゃんとしないとどうするのですか!」
「お、おい。俺に怒る事ないだろぉ」
「はあ、やれやれ」
怒るフォーリーから逃げ回るダイン、それを見てため息を付くセリアの姿がそこにあった。
-----------------------
「お、おはようございます」
次の日の朝。
恐る恐るあいさつをしてみる。
「あら、おはよう。良く眠れた?」
「う、うん」
「あ、ペパくんだ!!おはよう!!いたいのはだいじょうぶ?」
咄嗟に鼻を押さえるダインさんとフォーリーさん。
あ、これ悶えてるな。
今なら分かるよ、俺もそうだから。
「・・・?だいじょうぶ!!?」
「だいじょうぶだよ!そしておはよ」
そんなあいさつも程ほどにセリアの姿が見当たらない。
「ばあばはどこに行ったの?」
「ああ、セリア殿なら森に一度だが戻っていったよ。当分戻れないと伝えてくるそうだ。」
ん?ばあばもこっちで一緒に住むのかな?
それは嬉しいな。
「それで今日はどうする?怪我したばかりだし勉強はお休みだな」
「それじゃあ、村をひとりで散歩してくる!」
「あら、アリアは一緒じゃないの?」
アリアが涙目で見つめてくる。
「う、うん。ひとりで散歩してみたいんだ」
「あららぁ、アリア振られちゃったわねぇ」
「ペパ君・・・?」
ダインさんが超笑ってる!?目が笑ってないけど。
そんなこんなあって、散歩と言うなの確認の為に村の少し外れの森に来てみた。
確かあの時は魔物を村に行かせたくなくて叫んだけど。
言葉が発動する条件?
俺は魔法の才能はないんじゃ?
取り敢えず色々な言葉を言ってみる事にした。
「ファイア!」
出ない
「ウィンド!」
出ない
「ウォーター!」
出ない
出ないじゃねぇか!
膝から崩れた。
え、どうしたら使えんの!?
考えて居る所に鹿が近づいてきた。
あの時の様に言葉を発してみた。
「止まれ!!!」
ピタッ!!!と止まってしまった
ええ・・・。
定番な魔法名は反応しなかったのに・・・。
原始的な言葉に魔力を乗せて発せば良いのか
本当にそれだけなのかと色々と試してみるのだった。
短めにしてみました
多分編集しますが今はこれで
次回
結果と稽古