二つと残り
大変遅れてしまいました
「僕は話をしに来ただけ。 納得して大声を上げないって誓えるなら頷いてね。」
ペパはその言葉に従い首を縦に降る。
「良かった。 それじゃ手を離すけどくれぐれも大声は辞めてね。 今、彼女に見つかると面倒だからさ。」
そう言って手を離してペパに話かけた。
その言葉にペパは敢えて聞いてみた。
「彼女って誰の事だ?」
「あれ、気がつかない? 君を拾ったあの子だよ。 いい子に育ったもんだ……。」
アウレウスは昔を思い出す様に懐かしむ。
まるで昨日の出来事の様に遠くを見つめながら。
意識がこちら側に戻してアウレウスは再び話始める。
「さて、本題だ。 用件は3つある。 一つ、僕が攫った子の事。 二つ、とある研究者。 三つ、君自身について、だ。 どれから聞きたい?」
アウレウスが言い出したのは爆弾発言しかなかった。
「そう黙られたままだとこっちも困っちゃうんだけども……。」
アウレウスは苦笑いしながら頬をかく。
ペパはこの話を聞く前に話す理由を聞いてみた
「何故そんな話をしに来た?」
「ん? 別に変な意味は無いさ。 ただ君はこの世界に染まりきってしまってるからね。 少し元に戻して上げるついでに情報をね。」
は?
ペパは漏れそうになった言葉を飲み込んで少し考る。
(この世界? それはどう言う事だ……? 俺は何かを忘れて……?)
情報がない中で考え、同じ事を考えふループに陥っていた所でアウレウスが言葉を発した。
「それで。 どれが聞きたい?」
「そう……だな……。 お前が話してくれると言うなら順番に聞きたい。」
「そうかい? 自分の事は後回しで良いの?」
「いい。 先にヴィレウスの事の方が大事だ。」
戯る様にペパ自身の事を促すがペパは切って捨てた。
「そこはまだ残っているんだね。 よし、取り敢えず話始めようか。」
アウレウスは一度だけ区切って再び話始める。
「まず結論から言おう。 彼の体事態は無事だよ」
無事であると聞いてペパは安堵する。
が、次の言葉でかき消される。
「体は無事だけど意識は戻っていない。 いや、正確には戻らせていないか」
「……どう言う……事だ……?」
ペパは怒りで大声を上げそうになるのを我慢して詳しく聞いてみる。
「今回の僕の依頼主様がね。 危ない実験をしたいらしくてね。 彼の力を利用したいらしい。 実験に失敗しても戻ってこれるでしょ?」
実験の保険として意識を奪われて拘束される。
怒りで拳を握った手のひらから血が流れ出る。
ペパはその依頼主とやらをぶん殴る決意を固めたのだった。
「じゃあ、次だ。 と言ってもちょっとだけ僕の依頼主様に関係ある人だよ。 フーニャシア博士と呼ばれる人だ。 彼の妹さんは少し詳しいんじゃないかな。 まあ、取り敢えず会ってみる事を進めるよ。」
「彼がヴィレウスの事だとして、妹って言うとカリルの事?」
アウレウスは無言で頷く。
「二つ目の話はここまで。 会ってみてこの世界の闇を知った方がいい。」
闇と聞いて最近、似たフレーズを聞いたと思うペパだった。
「さてさて、これが最後のお話だよ。 準備は良いかい?」
少し楽しそうにアウレウスは話を切り出す。
「君が選ばれた理由を話そう。」
道化師が調子づく為に話し始めた。




