確信と言葉の続き
暑くてだれてました
ごめんなさい
「これは昔の話さね。」
そう言ってばあちゃんは走りながら話し始めた。
「私が長でも無く人の言葉も話せなかった頃さ。 ただの偶然だったのだろうさね、若い青年が光を神々しく放ちながらこの世界に降りてきたのを私は見て覚えていただけ。 そして彼の言葉に耳を傾けて付いて行くと誓ったなかだったのさね。」
「知り合いだったの?」
「そうさね。 向こうは私がここに居るとは思っていないだろうさ。 ま、この件が片付いたらアリアと一緒に詳しく話してやるさね。 ペパや、お前にも関係がある事だからね。」
先代の英雄との繋がりあると驚きの事実を言っていたのだが今は村の状況が悪い。
話は聞きたいが仕方がないと思考を戦場へと戻す。
それにしてもあの靄みたいな魔法って便利だなぁ、今度ちょっとで良いからどんな魔法なのか聞いてみよう。
そう思いながら前進するペパとセリアだった。
「ペパ君はちゃんと仕事をやってくれるかしら。」
ダインの妻であるフォーリーが心配そうにダインに聞く。
「大丈夫さ。 あの子は弱い訳ではない、私の修行に付いてきたばかりか魔法を使わずに私の打ち込みを全て躱したのだぞ? 躱せると言う事は見切れていると言う事だ。 見切れていると言うのは…」
「全てが見えている。 つまり恐怖を覚えて乗り越えた、でしょう?」
「その通り、だ!!!」
会話をしながらこの場に居る最後の一人を叩き伏せるダイン。
「全く。 馬鹿げた事を依頼した者も居る様で困るな。」
そう言いながらダインはリオルの元に向かう。
今回の事をちゃんと詳しく話して貰うべくリオルを回収してペパ達の後を追うのだった。
「ねえ、ばあちゃん。 これ流石にまずい状況だよね?」
「当たり前さね!!! あいつらの靄がほとんど消えてるじゃないか!!! ペパや、一気に仕留めるよ!!!」
今の現状が十数人の怪我だけで済んでいるのは彼女の魔法のお陰だろう。
その魔法が解けかけている。
最悪の事態の一歩手前まで来てしまっていた。
「ペパや、あの時の魔法は使いこなせる様になったのかい?」
恐らく咄嗟に出た言葉魔法の事だろうとは思う。
「ごめんね、ばあちゃん。 完全にはまだ無理なんだ。」
「完全じゃなくても使えるならこう言うさね、「手足よ、止まれ」と」
聞いて直ぐに言葉を放った。
「『手足よ、止まれ 汝らの…』」
自然と次の言葉を紡ぎそうになるがセリアがペパの頭に飛び乗って口を塞いだ事で前半の言葉だけが効果を発揮する。
とは言っても聞こえた者は動けなくなっただけなのだが。
「お前の力を聞いてから私も考えていたさね。 敵を殺さずに無力化する方法を。 ペパや、お前の力は簡単過ぎる程に人を…。 生き物を屠れる。 だったら効果の及ぶ範囲を限定してしまえばいいさね。」
今回の様にさねとセリアは付け加える。
自分の力の真価を最初に知ってしまったが故の思考放棄をしてしまっていた。
使いこなすのではなく別の魔法で補おうとした。
それは一つの正解でだろう。
だがセリアは違った。
ペパが正しい道を歩む為の下地を作りたかったのだった。




