強敵と化身
今回も少し遅れました
セリアと盗賊?達の戦闘は圧巻であった。
盗賊達の連携が旨すぎた。
セリアは全力が出せていなかったが……。
相手の魔法使いが土魔法に分類される植物を操って壁にしたり足場を悪くしたりするのだ。
味方はダメージを受けずセリアは避けきれずに攻撃を受けるという図式ができてしまっていた。
「おーし、もうすぐだ!! お前ら気を引き締めろよ!!!」
「「「おう!!!」」」
そんな戦闘を横目にペパは結界を張っている道具を探し回っていた。
実はセリアはペパが近づいている事には気がついていた。
守護獣と言うくらいだ。
森の中の出来事くらいは把握は出来る加護は持つ。
だからペパが隠れている方に向かって話しかけ続けた。
人質達に話しかけるフリをしながら。
後は一匹だけだと思っている奴らがペラペラと話してくれた。
見つけて壊すなりすれば良い。
そう思い探し回っていた。
「クソ!!! 見つかんない!!!」
ペパは木を殴りつけていた。
セリアを遠目から見るが既にボロボロになっている。
早く見つけないといけないのにと焦っている時だった。
遠目から全体的に戦闘を見て気がついた。
一人だけ。
明らかに可笑しい人物を見つけてしまった。
戦闘を見ていてあまりにもの臆病者とかなら分かる。
だけど全く攻撃をしない人を見つけてしまった。
まるで攻撃をされるのが困るかの様に。
他の盗賊達も常にそいつが影になる様に動きセリアから基本的には見えない。
そこで気がついた。
結界と言うのだから中心があり、遠くなる程に効果が弱くなるのでは?と。
逆に言えば中心である程に効果が高くなる。
そして盗賊達のリーダーは言っていた。
『ここには魔物封じの結界ってやつがね、貼られてるんだわ。』と。
結界まで貼って入念に準備をしたのだ。
明らかに高価な物をそこら辺に設置するだろうか?
敵も常に動くのだ。
今回は人質を取って動きを制限したが、もし逃げられていたら?
グルグルと思考が回り始めた。
だから行動を移した。
今ならセリアの全力に近づいていると信じて地面を思いっきり蹴った。
音は少しだけ遅れてやってきた。
何ともない風切り音。
狩りに出ていた村の連中の誰かが弓でも撃ったのだろうと仲間に確認させる。
だが、帰ってきたのは結界札を持った僧侶が居なくなっていると言う報告だった。
冷や汗が流れる。
いや、まさか。
あいつには自分の身だけを守れと言ってある。
なんなら見殺しにしても逃げろとも。
あいつの腕は俺が一番理解しているからこそ、任せた。
少しの動揺が走った。
そして……。
「全くやってくれたさねぇ……。」
「風纏う 我が肉体 姿見えぬ者」
セリアの詠唱が始まっていた。
「やべえぞ!!! 詠唱を止めろ!!!」
リーダー格の拳闘士が叫ぶ。
が、遅すぎた。
結界が無くなった今、通常の速度ですら追いつけないだろう。
「止まらぬ風 同化し 体を癒そう」
淡々と詠唱を紡ぐ。
動きを止められない盗賊達は最後の詠唱を聞いているしかなかった。
「我は風の化身なり 『タルナーダ・アヴァタール!!!』」
怒りを顕にした風纏いしセリアがそこには居た。
魔法名なんて好きな言葉を探しただけです
あしからず




