状況説明と予期せぬ帰郷
「さてと、自分がやった事だけど収拾するのは君に任せようかな。 ね、ペパくん。」
瞬間移動した男がそう喋る。
「ああ、僕の『特殊魔法』の能力を教えておくね。 固有名は『跳躍』だよ?」
嬉しそうに。
楽しそうに。
戯る様に話す男。
何を考えてるのかが分からずにその場に居る全員が黙っている事しか出来なかった。
「効果は簡単。 一度でも訪れた場所に飛ぶ事が出来る。 この能力を知っている人だけを触れる事で飛ばす事も出来る。」
そこまで説明されて気がついた。
(この状況はヤバい!!)
ペパは離れようと動くが首に腕を回されて動けなくなった。
「まあ、ここまで言えば何をしようとしてるか分かるよね!? はは、まあその通りで僕のした後始末でもしてきてよ。」
「何をさせるつもりですか!!!」
ユークレスが切り掛る。
だが、男はペパと一緒にユークレスの後ろに飛んでしまう。
「いきなり酷いなー君。 そんな酷い事じゃないよ。 ペパくんとそこの彼女の故郷を壊滅させて来てねってお願いしてたんだけどね。 必要が無くなったじゃない? その後始末をお願いしようかなってね。」
ペパやアリア達がそんな馬鹿なを考えて居る間も男は笑い続ける。
だけどアリアは顔が真っ青になっていた。
当然だろう。
自分の父親や母親が居て、さらには親しい仲の友人や知り合いも居る故郷だ。
故郷の壊滅を想像しただけで気分が悪くなるだろう。
倒れそうになっているアリアをエルネとヨシュアが守っている。
「あ、そうそう。 僕ってばまだ名乗ってなかったね!!! 僕の名前はアウレウス・ハーヴェスト。 前世代の英雄だよ?」
「それで、お前の目的はなんだ?」
ここでペパが目的を聞いた。
はぐらかされると思って聞いたのだが、意外な事にアウレウスは答えた。
「ん? 目的? そこに眠りこけてる子の拉致だよ? 依頼主がね、彼の力に興味があるんだってさ。 それ意外は良く知らないよ。」
「それだけの為に俺達の故郷を襲わせたって言うのか!!」
「そうだけど? 別に人を殺すなとも依頼時に聞いてないし、手段はこっちで考えて良いって言われたしね。」
呆れて言葉が出なくなるその場の全員。
人一人の為に村と言え、数十人または百人を越える人を殺すと言うアウレウス。
まだまだ話しを続けるアウレウス。
「そうだねぇ。 後始末を付けてくれるならあの太陽。 消して上げても良いよ?」
言うが速いかアウレウスが手を振るとサンメテオが掻き消えた。
まるで後始末の報酬だと言わないばかりの笑顔を向けながら。
「さ、これで良い? 因みにこれは僕の指示じゃないからね。 彼らの国がこの国に攻め込んできただけだからね。」
放心状態で跪いているフードを被った人物と前のめりに倒れている人を指さす。
そして
「さて、僕ばっかりの場面を見せてもつまらないね。 心の準備は出来た? 何、協力者は居るけど気をつけて。 君の選択次第では大事な人を失うよから。」
そんな言葉を最後にペパはカキネ村へと帰還したのだった。




