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制約魔法とはと謎の人物

改めてこの世界での国と言う定義について話していこう。

現代の国とは国土や国境等が関わってくる。

が、この世界では魔物や敵対している国からの魔法を防ぐ『結界石』と呼ばれる物を所有している事が大事なのだ。

魔物へある程度の威嚇効果や攻撃を防ぐ盾を石が生成し街や城を覆っていると思って貰いたい。

当然この結界石を多く所持している国は領土や武力が高い事の証明になる。

そんな結界石だが生成方法や出現場所が未だに解明されておらず、偶然(・・)に発見される分しか市場に出回らない物である。

要は結界石を所有しており複数の国から国を認められればその場所は国と言う扱いになってしまう。

結界石を複数所持しているだけで国庫も潤っている証明なのだから。


結界石についてはこれで良いだろう。

対しては『対国家結界破壊魔法』だ。

厳密には『対国家結界破壊制約魔法』と呼ばれるのだが、制約魔法自体が普及し使用者が死ぬ事までが魔法の効果だと思われた事で制約の部分が抜け落ちていった。

『対国家結界破壊魔法』は複数存在する。

人に影響を与えない物、逆に人にしか影響を与えない物。

そしてその両方だ。

そんな負の遺産。

世界の闇の魔法。

人が居なければ国と言えず、結界石が全て無くなればそれでも国と言えない。

この世界の国と言う定義を壊す為だけに作られた魔法である。

制約魔法の使い手は現在は一人しか居ない。

だが、魔法その物が使えなくなった訳では無い。

今回放たれたのは『対国家結界破壊魔法』の一つである『サンメテオ』。

ある意味では最悪と称される火の属性の魔法だ。

この魔法は擬似太陽を生成し放った指定範囲内の全てを焼き焦がす魔法である。

草木や建物はもちろんの事、結界石すらも徐々に蒸発してしまう。

そして人も建物内に居ても蒸し焼きにされ、外に出よう物なら肌が爛れる程だ。

ただし難点が一つ。

蒸発や焼き焦げるまでの時間が長い事。

だが、建物を動かす事自体が不可能なのだ。

放たれた時点で負けが確定してしまう。

敵対国の全てを破壊し尽くす為だけの魔法。

人をゴミだと吐き捨てる為の魔法を今ここで放たれたのだった。


「くそおおおおおお!!! 間に合わなかった!!!」


ヴィレウスが吠える。

現状でこの場で危険性に気がつけるのはヴィレウスだけだった。

形だけの国王達は今の現状を把握出来ていないだろう。

そんなヴィレウスの大声を聞いてただ事ではないと周りの観客達が騒ぎ始める。


「おーい、会長ー!!! 今のは何ー!!!?」


ペパやエルネ、ユークレス達がこちらに向かって走っている。

返事を返そうと思ったヴィレウスの意識が突然途切れたのだった。

魔法の発動を止めるのでは無く、即座に巻き戻す選択をして居れば良かった。

その一つだけがヴィレウスの失敗だった。


突然ヴィレウスの背後に現れた男性をペパ達は見てしまっていた。

その男性は一つの魔法を告げる。


「スリープ」


睡眠魔法。

ヴィレウスは眠らされたのだ。

そしてその男は戯る様に話しかけてくる。


「いやー、まさか自分の行動が無駄にされたのに自分に都合が良い結果になるとは思わなかったよ。 ね? 君もそう思うでしょ? ペパくん。」


ゾクっと背中に悪寒が走る。

『こいつには勝てない(・・・・・・・・・)』とその場の全員が感じてしまった。

そうして動きが止まったペパ達に男が話しかける。


「あはっ!! そーんなにビビんないでよー。 傷ついちゃうなー。 んー、これも言っておこうかな?」


そう言って姿が一瞬で掻き消える。


「なっ!?」


ペパは驚いて周りを見渡すが姿が消えた。

次の瞬間。


「こんにちは今世代の英雄さん」


耳元で囁かれた声は何処かで聞いた事のある物だった。

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