表舞台と裏舞台 裏準備
薄暗い路地。
そんな場所にある一つの扉を開ける一人の人が居た。
そこは通り名のある達人が集う場所。
目つきが悪く悪者だと分かる者。
穏やかで到底、裏の顔など有り得ないと言わんばかりの善人面の者。
切り傷だらけの如何にもな風貌の者。
国家の黒い部分の掃き溜めであり、国の上層部ですら利用をする場所。
暗殺に諜報、護衛や魔物の討伐。
金さえ払えば何でもする。
裏ギルドと言われる場所の一つ。
名を「抜けぬ牙」と呼ばれていた。
受けた依頼は死しても遂行する。
動いたのならただでは終わらない。
暗殺するならバレようとも相打ちでも殺す。
諜報なら死しても情報は届ける。
自分の命を捨てている者達の集会所に戸を開ける者。
それは口端を釣り上げる。
こみ上げる笑いを必死で我慢している様に。
受け付けに一言だけ。
「マスターに用がある。」
言うと同時に一つの封筒を渡したのだった。
ヴィレウスからルールを聞いたアリアを除く四人は青ざめた物だった。
要は何でもあり。
武器の使用すらあり。
ルールと言える物は無かった。
殺しさえしなければ何でも良い。
腕が吹き飛ぼうが、片足が吹き飛ぼうが何とでもなると言う。
「え……? ここは学園ですよね……?」
ユークレスが狼狽える様な声でヴィレウスに問うた。
「そうだ。 育成する機関でトラウマを植え付けるのも教育だと前会長の考えだったのさ。」
ヴィレウスはそう言って捨てる。
前会長は何がしたかったんだ?
ルールの中で優劣を付けて向上心を育むとかなら分かる。
だけど
ペパが考えていた先の言葉をアリアが告げる。
「これはただの殺し合いと変わらないじゃないですか!!!」
殺してはいけない。
ルールですらないルール。
「そうだ。 実力主義? 笑わせる、何でもありの始末だったのだよ。 試合前の妨害から始まり、罪の擦り付け。 実際に命を落とした者も居る。」
表向きは評判の良い学園に見える。
だけど学園の内情だけでも腐っていた。
ただ暴力だけがある場所だった。
今まで大人しかったのは公式に暴れる事が出来る時期があるから。
事件が立て続けに起きたから。
それだけで目立たなかったのだ。
絶句している五人の沈黙を破る様にヴィレウスが口を開ける。
「そこでだ。 ルールを儲ける前の下地を作る。」
全員を見渡して言葉を続けた。
「今回はあえて今まで通りで大会の開催をする。 そのルールで我々が圧勝する。 いや、圧勝では済まさない。 貴様らなど眼中にないと思わせる程に苛烈に勝って貰う。」
「いやいやいや、勝つにしても相手は上級生で更に情報も何も無いのにどうやって勝つつもりだよ!?」
ペパが反論するが
「ペパ君、ここは生徒会だ。 相手の情報に出場する者が分からないと思うのか?」
この言葉にも五人は絶句した。
ヴィレウスが反則すれすれの事をすると言ってのけたのだ。
「最初にしただろう? この学園を変えるんだ。 くっくっく、はーはっはっはー!!」
ふははははは とヴィレウスが大笑いをする。
また巻き込まれる形になったのだった。
お正月も過ぎたので書き始めです。
宜しくお願いします
ヴィレウスが主人公より書きやすい問題。
お話の起点にしやすいので多様しますが主人公ではありません。
いえ、準主人公だとは思いますが
次回
未定
内容を考えてから付けると思います




