名付けの直後と成長2
狼の魔物が普通に話していますが人間にはセリア以外の言葉はガウガウかワウワウにしか聞こえません。(めんdu・・・、ではなく分かりやすく書きやすくなる為なのでご了承をば)
補足としてこのセリアが率いている集団は人語を話せないだけで人の言葉は理解できています。
えー皆様。
今日はお日柄も良く・・・。
こんな馬鹿な事を考えながら現実逃避をしていた。
いやだってさぁ、回りいっぱいに狼だよ?
普通に考えると食われるじゃん!?
超怖いじゃん!?
どうにかしてくれよ・・・。
取り敢えず眠いから眠るか・・・。
生きてたら起きられるさ。
ペパベール・ハーヴェストは現実逃避したまま意識が途切れたのだった。
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森林にある太樹のふもと。
回りには人間の小さな村や集落がある場所で狼の魔物のボス『セリア』が言葉を放つ。
「良いかいお前達!今日からこいつを・・・ペパを《仲間》として育てるさね!
手だしをしたやつは群れから直ぐに消え失せな、それがこれからのルールさね!!」
気絶したばかりのペパベールをセリアの前に連れて説明を終えた。
そんな時に1匹の狼から声が上がる。
「ボス、1つ訪ねてもよろしいでしょうか?」
「言ってみると良いさね」
「なぜこいつを育てるので?」
なぜ?
確かにそうだ
そいつは人間じゃないか!
と1匹の声が上がると群れの至る所から声が上がる。
そんな状況にセリアはにやりと笑みをこぼしながらこう言った。
「なぜだって?そんなのこいつが英雄になり、私らの繁栄に繋がるからさね!」
取り敢えずはこれで納得してくれたら良いだろう。と頭の中で考える。
実の所、深くは考えていない。
昔見たあの光景、それがもう一度あったと聞いた。
なら、その未来にあった悪夢もあるのでは?
そんな予感がするとそれだけなのだ。
300年余りを生きているセリア。
強大な魔力を持つ魔物は長い時を生きる。
その生きてきた中で見た悪夢。
それを止めた英雄の姿を思いだしながら思う。
ああ、エリス・ハーヴェスト。
あいつの様なやつになれば・・・。
そう思うだけで楽しみさね!
心の中で、小さく微笑んだのだった。
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オハヨウゴザイマス。
起きれたみたいなので生きてはいるみたいです。
でも、回りは狼だらけで怖いんだけど。
ぐぅとお腹がなった、普通なら多少は我慢が出来るのだが
「オギャー」
と何故か声が出た。
え?
これ俺が出した声か?
オギャーって赤ちゃんじゃあるまいし。
そんなまさか
笑おうとするが赤子の様な泣き声は大きくなるばかり。
やっぱり赤ちゃんみたいに泣いてるのって俺だよ・・・。
えーと?つまり?
俺は今、赤ちゃんになってるの?
いやいやありえん。
どうやって赤ちゃんになるってんだ。
転生物のゲームやラノベじゃあるまいs
「おや、起きたのか
ボスをすぐに呼んでこい!」
「はい!」
聞きなれない声が聞こえたのでそちらを見てみた。
・・・?
人なんて居ないじゃないか、どこから喋ってんだ?
居るのは狼だけだし、てか怖いわ!
内心で怖がっていると
「やっと目覚めたさね
さ、こいつを飲むさね」
部屋?に器を加えて入ってきた狼が喋った。
・・・狼が喋る・・・?
え?なに?まじで転生でもしてんの?
ミルクらしき物を飲んだ後で泣き声も止まった。
その直後、再び意識が途切れた。
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さて、ミルク?を飲んでオムツを変えて眠るを繰り返して3年程の年数が経ちました。
3歳くらいにもなれば、固形物
森の中だから果物等を食べれる様になり、当然だが少しなら喋れる様にもなった。
うん転生してるよねこれ。
もう疑わないわ・・・。
起きて食べて寝るを繰り返してる時にずっと考えてたんだ
事故の後遺症とかでずっと眠って夢を見てるんじゃね?って
でもさ狼の魔物が喋ってるんだぜ?
これどう見ても現実の世界じゃないだろ・・・。
魔物って単語に魔法?っぽい事もばあばが使ってるし怪我をしたらちゃんと痛い。
これ異世界で良いよね?
あ、ばあばってセリア婆ちゃんの事ね。
始めて単語を話せた時に「ばあば」って呼んでからずっと言ってるんだ。
正直恥ずかしかったようん。
それしか言えないし、笑った様な顔をするんだもん。
魔物について少しだけ知ったのは、この世界では人間と協定を結んでいる魔物も居るらしいって事。
昔に人魔大戦ってのがあって人が魔物を蹂躙しようとした事があったんだって。
その時の英雄って呼ばれてる人がなんやかんやして終結させた。
その結果、知恵のある魔物は人間とある程度の協定やらなんやらを結んだんだって。
ばあばも立ち会ったらしい。
絵本の様に眠る時に良く語ってくれた。
「ペパや」
「なあに?ばあば」
「お前も3歳になったんだ
そろそろ人間の村で生活して慣れておくべきさね」
「にんげんのむら?って近くにあるの?」
「ああ、あるさね」
3歳になって言葉が流暢にとは行かないまでも話せる様になったので村で生活する事になった。
と言うか決めていたみたいだった。
服とか持ってくるもんだからどうしたのかって思ってたら近くにある村から交換して貰ってた。
依頼をこなして報酬を貰うって感じだ。
俺なんかの為に申し訳ないと感じて、もっと成長したら恩返ししたいなぁって思ったんだ。
「分かったかい?なら用意するさね、お前を預けるのは昔一緒に戦った事のある信頼できるやつさね」
「わかった!」
一緒に戦ったってのが気になるけど、子供らしく返事しておこう。
「ばあば、なんて言うむらなの?」
「ああ、教え忘れてたよ
名前はカキネ村さね」
カキネ村?
垣根の事か?
垣根を越えたとかの?
もしその通りならいい名前だと思うな。
魔物と人間が垣根を超えて手を取り合っている。
うん、そう思おう。
成長(3歳)編は終了
主人公君、ある事に気がついてません。
次回で描写できたら良いなぁ
次回は
挨拶とお勉強
ちょっとだけ世界観が分かるかも?