試験と異変1
あとがきにかいてます
試験当日 アルファへの道中
早朝から宿屋を出てアルファへ向かう3人。
試験の時間がお昼過ぎから始まるのだが少し早めに着いておこうと言う3人の考えだった。
「で。ユークレスは俺達に付いて来て良いの?」
「はい、大丈夫ですよ。元々一人で向かう予定でしたので」
「そうか、なら良いんだけどね」
二人の会話を嬉しそうに眺めるアリア。
(ふふ、楽しそうにしてるペパくんを見るの久々かも)
昔の事を知っているアリアからすれば笑いながら話をしているペパを見る。
間接的に死を招くと悟ったと言う理由もあるが稽古で余り笑顔をしなくなっていた。
ただ、誰かを何かを守れる様にと必死になっていただけなのだが。
「見えて来ましたね。あれが学園国家アルファです!」
「ん?知ってる様な口ぶりだね?」
「ええ!ええ!もちろんです!何度か入国していますです!」
ユークレスが興奮気味に話を続ける。
「これほど「学園」と言う物に特化した都市はありませんです!!更にです!ギルドの規模も二番目に大きいのです!!」
(ギルドね・・・。父親探しで何度か入国してるのか。
んー、その父親ってどんな人なのか聞きたいけどデリケートな問題かもしれないしなぁ)
考え事をしている間に門に到着してしまう。
「入学試験を受ける者か?」
「はい、私達3人ともです」
アリアが丁寧に・・・
丁寧に・・・
(おい、こいつ鼻の下が伸びてるぞ)
憲兵のデレデレした顔を見せられてげんなりするペパとユークレス。
「あ、あのぉ。まだ中に入っちゃ駄目でしょうか?」
「はっ!?あ、いや。よし入れ!」
「ありがとうございます!」
ペパが殺気を出そうとした所でアリアがフォローする。
都市の中に入ってからアリアがペパに話しかける。
「ペ~パ~く~ん?」
顔は笑顔のままで名前を呼ばれたペパだが
「は、はい・・・」
ダインやフォーリーの時と同じ様に顔が引き攣る。
「何、しようとしてたの?」
「ナニモシテマセン」
「本当に?」
「ハイ」
「なんでカタコトなのかな?」
「ソ、ソンナコトナイヨー」
じーと顔をジト目で見られた後で
「ま、いっか。」
許してくれた様だった。
(超怖かった、フォーリーさんに負けてない迫力だったよ・・・)
「ではお二人とも私はこちらですので!」
試験の会場に付いてユークレスが別の場所で行なうらしく、ここで別れる事になった。
「お互いに頑張ろうか」
「師匠の方こそ、落第なんてしないでくださいです!」
「ははは、落ちたら・・・それはその時かなぁ」
「もう!私には大丈夫だって言ったのに!」
ユークレスが心配し、ペパは楽観し、アリアは拗ねた所で試験の時間になった。
試験のやり方はとてもシンプルだった。
自分が今出来る魔法や剣技を見せるだけ。
と、言っても魔物の幻影を使ってだが。
上位の幻影魔法は闇属性で質量を持つ。
つまり実態があるって事。
こいつらを使っての実施形式と多少の筆記。
補助道具、学園側が貸し出す杖や指輪の使用も認められている。
申請すれば持ち込みの物も使えるのだが補助の効力が大きすぎる物は却下される。
なるべくフェアにしましょうって事なんだけど。
(補助道具がありな時点でフェアって)
ちょっと笑ってしまったのは内緒だ。
当然、羽ペンの申請も通してある。
アリアは学園側の腕輪をつけるらしい。
最後が俺とアリアの二人で良かった。
周りの人達が次々に詠唱し魔法を見せるが審査員達が唸る物は無かった様だ。
そしてアリアの番になった。
「それでは始めて貰うが・・・。ん?君は全属性を持っているのか?」
試験前に行なった魔法適正の判断(特殊な紙を用いるあれ)を行なった報告書を見て驚いた様だ。
「はい」
「そうか、では君の出来る範囲の魔法を全力で放ちなさい」
周りの受験者達がざわめいているがアリアは集中しきっていた。
そして詠唱が始まった。
「名も無い天使 名付け 打ち砕く者」
少ない詠唱でアリアが放った魔法は『無』属性のブレイクと言う魔法。
全ての属性にアクアブレイクやフレアブレイクと言った魔法がある。
本来は放った水や炎を破裂させて相手にダメージを与えると言った魔法なのだが、全部の属性が使えるのなら同時に使ってしまおうって考えたのがペパだった。
結果、『属性の無い魔法』が出来上がった。
威力は当然、詠唱の短さに更に、不可視の魔法だった。
残ったのは体の三分の一が円形に抉れた幻影の姿だった。
その姿を見た審査員達は絶句するのだった。
(あれあれあれあれ!??
全力でやっていいって言われたからやったんだよ!!?
もしかしてやっちゃった!!?
どうしよ!どうしよう!!?)
困惑するアリアを尻目に審査員達が話し合いを始める。
「これは・・・」
「ですなぁ・・・」
「彼女は・・・」
「そうですな・・・」
話し合いが済んだのかこちらに向き直り
「ありがとう、次!」
何事も無かった様に試験を進めるのだった。
(よし)
意気込んでみたのだが後ろから
「おい、あいつの適正見たかよ」
「あ?なんだよいきなり」
「それがさ、適正が無いのにこの場所に来てるんだぜあいつ」
「まじかよ、何しにきたんだよあいつ」
ゲラゲラとこちらに聞こえる様に笑う二人組。
(ま、適正の所だけを見たらそうなるよな)
内心で笑っているのを押し殺して審査官に向き直る。
「君は確か自分の羽ペンを使いたいと言っていたね」
「はい、申請も通しているはずですが?」
「いや、その羽ペンは君が作ったのかと気になってね」
「はい、そうですが。それが何か?」
「いや・・・」
(・・・?)
「まあ、今は良いだろう。それでは始めてくれたまえ」
審査員の声と同時に羽ペンを空間から取り出す。
「羽ペンなんか何に使うんだよ能なしよおおお!!」
「お前たち静かにしないか!!」
イラッ
(流石に言いすぎだろ!)
少し怒ってしまったが最後。
最大の火力で魔法を書いてしまった。
この試験中、誰も倒すに至らなかった幻影を詠唱も無しに文字だけで消し炭にしてしまった。
「あ」
気がついてからは後の祭り
やりすぎたのだった。
別室
水晶玉で試験の様子を見ている青年が一人
「ふふ、今年は面白い人材が入ってくる様ですね」
ペパの魔法を見ながら独り言を話している所に憲兵が入ってくる。
「申し上げます!ここより北西の場所にて逃れて来た者よりの情報です。」
「話せ」
「は!一言だけ「アカが来た」と」
アカ
それを聞いただけで顔を強ばらせた青年。
「直ぐに部隊を編成し救援に向かえ!最優先事項だ!」
「は!」
敬礼し直ぐに部屋を出る憲兵。
チッと舌打ちをする青年
「あれは数年前に討伐した筈だ。なぜこのタイミングで・・・」
頭を抱えるが
「そうだ、こいつらを使おうか」
嫌な笑みを浮かべた青年が思う所は
やはり2部構成になっちゃいました
許して下さい
最後の青年、悪い顔してます
凄く悪い顔をしてます
だけど、悪人では無いですはい
国と人の為にしてるだけです(言い訳
次回
試験と異変2
よろしくお願いします




