思いと決意
遅くなりました。
やりたい事が重なりすぎました
更新は続けますので宜しくお願いします。
ペパが見せた魔法は軽風程度の物だった。
誰かが傷つく傷つく様なしろものでは無かった。
だがユークレスが発動させた魔法の威力は遥かに上回る物だった。
軽風は強風になり、強風はへ暴風になってしまった。
発動させた場所が人の少ない町の端で良かったと言えた。
もし、中央通りで発動させて居たなら死者が出ていたかもしれない程だった。
ペパとアリアの二人も風の中心点居たからこそ吹き飛ばされていない。
運が良かったのだ。
「え、えーと」
「すすすすす、すみません!!!」
「いや、勧めたこっちも悪い」
そう言いながら怪我をした人が居ないか探し始めるペパとアリア。
ユークレスは放心していた。
やっぱり真似をするってのは能力の複製?
いやでも複製とはちょっと違う感じがまだするなぁ
なぜ同じ事をして威力が上がっているのか?
ユークレスの特殊魔法の考察をしながら救助をするペパだった。
「いやあ災難だったな。あんちゃんら怪我はねえかい?」
如何にも職人顔のおじいさんが気さくに話しかけてくる。
「突然の大風だ。物資が吹き飛んじまった」
「え!?」
突然の風と言われてユークレスが驚く。
当然のはずだ
だって、誰も詠唱を聞いていないのだから。
魔法が発動した事自体が分からないはずだ。
そう言う風に作ったのだから当たり前なのだ。
詠唱があるから魔法と言う物が分かる。
なら詠唱が無ければ?
見慣れた文字が突然、魔法の触媒になれば?
ペパがこの魔法を作る時に考えた事が今まさに的中した瞬間だった。
バレる事のない魔法。
これはあらゆる争いや戦争。
そして政治にすら影響を与える魔法。
今ユークレスも同じ様な事を考えて居るはずだった。
気を付けて帰んなと言っておじいさんが他の場所を見に行った所で
「ペパ様・・・。」
ユークレスが頭を深々と下げ
「貴方を師匠と呼ばせて頂きたい」
なんて言いだした。
「なんでそう思ったの?」
「まず私の能力に付いての考察。おそらく当たっていると思います。そしてこの魔法の事、これは危険な魔法だと判断致します。それなのに私の能力を推察した上で授けてくれたのでしょ?」
あれバレてる!?
嘘ぉ、分かり易いのかなぁ
前も同じ事があったな・・・
そんな事を考えて居るとアリアが話しだす。
「ふふっ、ペパくんは分かり易いんだよ?良く顔に出てるもの」
「なるほど、これが師匠なのですね」
ふふふ
ははは
と二人が笑う。
え、二人だけで分かる所があったの!?
辞めて!教えてよ!?
気苦労が増えたペパだった。
その日の夜中。
ユークレスは宿屋に戻り部屋を取り直し一人になった所で声を掛ける。
「セバス、居るのだろう?」
部屋の角、暗く凝視しないと分からない程の暗闇に老人はそこに居た。
モノクルを拭き執事服を正して向き直る。
「は!ここに居ます。」
「母の身内が見つかった、直ぐに連絡を取れ。いや、どうせ見ていたのだから分かっているか」
「はい。既に連絡の従者は送っております。連絡が来るまでもう少しありますが」
「話しが早くて助かる」
「いえいえ、坊ちゃんならそう言うかと思いまして」
坊ちゃんと言う言葉を聞いてユークレスがため息をついて言葉を紡ぐ。
「はぁ、その坊ちゃんってのは辞めてくれと何度も言っているだろう」
「しかし」
「しかしも無い。私と君の仲だ。何度も言っているはずだな?」
「申し訳ございません。昔の癖が抜けていないのですユー」
「それで良い。すまないねエーニル」
主従の関係だが、剣や武術に魔法のノウハウを教えてたのはエーニルだった。
そこにあったのは主従ではなく友としての二人だった。
「それで彼女と話してみた感想はどうでしょうか?」
「良い品格だった。礼儀も正しい。そして実力もおそらくだが私よりも上だ」
ユークレスが感じたままの事を素直に話す。
ほおと少し驚いた様な様子を見せたエーニルだったが驚く事を言ってのける。
「それでもユー、勝てるのだね?」
「当然だよ。だが、彼は怒らせたくはない。私の魔法の特性を話しを聞いて想像が出来る程の頭の持ち主であり、私でも太刀打ちが出来ない腕だろう」
エーニルが絶句する。
「何よりこんな私に自分の秘密と言える魔法を教えたんだよ。一目で信用はされてしまった様だ。その信用を裏切る真似もしたくはない」
またもエーニルは絶句した。
後継者争いで死の危険にさらされ続け、人を信用すらしなかったユークレスが今日だけで裏切りたくないと言わしめたのだから。
「だから僕は彼を師と敬う。例え君がなんと言おうともね」
「ユーが決めたのなら何も言いませぬ。・・・彼らなら力を借りれるでしょうか?」
「出来れば借りたい。騙す事をせず、真摯に願うつもりだよ。まあ、今はまだその時では無いがね」
「そう・・・ですな・・・」
「願わくばどうか彼らが私達の道標と同じ向きである事を」
ユークレスが願いを言葉にしエーニルが静かに頷く。
彼らの背負っている物とは・・・。
「肉親が見つかったと言う希望を送ります。だから母様、どうか今はそれで耐えて下さい。私が・・・私達が必ず・・・!」
小さく小さく、だけど力強い意思を思わせる言葉を残すユークレスだった。
後半部分は考えてる話しの下準備みたいな物です。
ユー君が師匠呼びする理由がちょっと弱いですかね?
次回は入学前日くらいから始まります。
次回
緊張と祈り




