表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

890万だよ。

「なぁ、おい現時点でどれくらいよ……?」

「……お?」


僕、ヒロトが通う『道端ノ草学校』。


築30年は経った、古い校舎の三階の旧職員室のさらに奥に曲がった用具倉庫を綺麗に掃除して活動場所となった


この、

『兎(RABBITA)』


説明しておくと『RABBITA』とは僕とその隣にいるメガネマン…………じゃなくてリョウの二人がハマり過ぎて遂には部活設立申請を行ったほどの神ゲーである。


部員はたったの二名だが、『兎(RABBITA)』のユーザーは世界に10億人はいる。


何せ、世界人口の1/10である。


そう、この学校にも必ず僕たちの他にユーザーはいる(多分)



『兎(RABBITA)』を知らない人が見れば、「なんだあのオタクが入りそうな部活」みたいな感じに思われているんだろう。



「……クレジットだよ!」

「ああ、クレジットね……」


リョウが言っているのは『RABBITA』内の共通通貨である『クレジット』である。


『RABBITA』は、会社同士の取引や、重要な会談も行われることが多くある。

RABBITAはそれほど安全で、信頼されているのだ。



「えーーっと……890万クレジットだ」

「………………」

「この調子じゃあ、個人管理のワールドを持つのは無理っぽいぞヒロト」


『RABBITA』の基本プレイはユニットデータというところで行える、ここでアルバイトをしたり、自分のアバターを戦うコロシアムや、デパートもある。


分かりやすく言えば、ユニットデータは日本で言う『日本全土』。


そして、ワールドデータは、『都道府県』みたいな感じだ、都道府県ほど少なくはないし、ワールドデータは何万と存在する。



ユニットデータ内の担当者に、一定のクレジットを支払えば、新たにワールドデータを作成できる。


しかし、僕たちがやりたいのはその先にある


いくら、お金を払って個人で作成したとしても、そのワールドデータで好き勝手できる訳ではない。ワールドデータを管理できるのはユニットデータと同様に運営の人間のみに限られている。


個人でワールドデータを管理するには約、1億クレジットは必要だという。


それこそ、会社全体で『RABBITA』を交渉や取引に使っていれば話ば別だが、ただの一般中学生である僕たちには気が遠くなるような話である。


何の自慢にもならないことだが、僕はこの『RABBITA』をかなりやりこんでいる、つまり廃人なわけだが。


「コロシアムに出たら一日に100万は稼げるぞ」

「バカタレ、それはトップユーザーの皆さんの話だ」

「第一に、俺たちのアバターは戦闘タイプじゃないじゃんよ」


そう、アバターには、二種類のタイプがある、

タイプは選択できるため、どちらのタイプにするかはユーザーの自由だが、このタイプによって出来る仕事やアルバイトの内容も変わってくる。


まずひとつ目、『戦闘タイプ』


主に、コロシアムで戦ったり、不正をしているアカウントのアバターを強制的に制裁したりする。

戦闘タイプのアバターは全体の2割りと少数


そして『ノーマルタイプ』


特に、なにかに突出しているわけではないが、仕事に制限がない、しかし、コロシアムなどでノーマルタイプのアバターが出場する事はまず無い。


僕もリョウも、一応多数いるノーマルタイプアバターを使っている。



「俺たちはノーマルタイプらしく、ショッピングモールのバイトでもしとこう」

「そうだな」



『ログイン』 と表示されているカーソルを動かしてパスワードを通してユニットデータに出る。


「さっ、出勤、出勤」


僕とリョウも『RABBITA』内ではしっかり給料(クレジット)を貰って働いている(アルバイトですがね。



ユニットデータはイメージ的に、近未来の大都市で、自由に出歩きできる。


僕たちはユニットデータで一番大きなにある大型ショッピングモールでアルバイトをしている。


「ふぅぅ、頑張りましょう」


時給はそんなに高くないが、せっせと働いているのだ。




***




僕たちが世界(ワールド)を作るには、果たして何日掛かるだろうか………


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ