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やくそく
「月が綺麗だね」
まだ幼稚園生だったわたしに、同い年の男の子が言った。
その子の顔はなんだか切なそうで、
でもわたしは気づかないふりをした。
「……そうだね」
「ねえきみの名前は? ぼくはゆうとっていうんだ」
「わたしの名前はかな、よ。 でもなんでわたしの名前なんか聞くの?」
「もうかなちゃんに会えないから、ぼく引っ越すみたい」
そう言うとゆうとくんは悲しいほど切なく笑った。
いま思えば不思議な仲だったと思う。
名前も知らない男の子とほぼ毎日夜の公園で会っていたのだから。
でも言わなくても分かってた、
わたしたちはお互いのことが好きだってことが。
だから驚いたのだ。
彼が引っ越すっていったとき。
「小説家になろう」では初投稿なので、後日色々と編集するかと思いますが、ご了承ください。