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はじまり1
時代は黙っていても進んでいく。同世代のアスリートたちがテレビで活躍しているのを見ても僕はなんとも思わなかった。大好きな総理は射殺されるし、パンデミックは起こるし、大好きなバスケットボール選手はヘリが墜落して死ぬし、絶望的な状況に変わりはなかった。僕は今日も一日を怠惰に過ごす。なんとなく読書をして、タバコを買いにコンビニに行って、カップ麺を食べて、ネットサーフィンをして一日が終わる。せっかく大学に入学したのに、あるライトノベルに影響されてサークルには入らなかった。山の上にある大学の、広い図書館の地下室で、ジメジメした湿気にさらされながら日本文学の自伝を読むのが今のブームだった。
わたくし名を白竜、大学一年生のことである。




