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寂しくて、愛おしい。ただそれだけ

 先程までの恐怖や不快感が嘘のように消え去り、安心感と眠気が私を包み込む。頭を優しく撫でられて、慈しまれている。初めて、先生が親の居ない私達の母親であると実感した。


「おやすみなさい。良い夢を」


 その一言を皮切りに私は夢の中に誘われた。


 次の朝、私は鐘の音で目を覚ました。私は自分のベッドの上に居る。昨日の出来事は夢だったのだろうか。そこまで考えて、お兄ちゃんが準備を終わらせて待っているのに気付く。急いで私も準備を終わらせて共に食卓へと向かう。特に変わりもない一日を過ごし、別れの日が近づく。それを五回ほど繰り返し、別れの日になった。お兄ちゃんは私の手を離し、迎えに来た聖女様の元へ向かう。涙が抑えきれなかった。お兄ちゃんを見送る時は笑顔で、そう決めていたのに。私は、お兄ちゃんに別れの挨拶をしないまま部屋に戻った。


 私達兄妹の部屋。もう一人だけの部屋。寂しくて、愛おしい思い出が残った私の部屋。

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