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占い師(仮)は、自分の恋模様が分からない  作者: 花菱うるふ


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15/18

15.第八班の準助手、検査、それから事情聴取

 一通り情報共有が終わったらしいジャネライラーとニアラローズは、ラシェールカの”未来視”よりも魔力共鳴の反応が強すぎないかという会話をしているようだ。原因がもしあるのならばそれを特定して取り除きたいのはラシェールカの願いである。ストーカーが増殖していくのはご遠慮願いたい。そっとテーブルに置かれた紅茶の香りがラシェールカの疲れた心を癒してくれる。


「この地域の~治安維持部隊を統括してらっしゃる〜ブランジェラ課長が介入してるから〜、この後に呼び出しがあると思うんだよね~」

「疲れました……」

「呼び出し前に少~し検査だけしておこうか~、説明するのに私たちもわかりませ~んじゃお話にならないから~……」


 疲れ切った様子のラシェールカとニアラローズを横目に、ジャネライラーがテキパキと検査の用意をしていく。用意されたのは先ほどまでの少々大掛かりな検査器具ではなく、こじんまりとした天秤のような器具だ。


「では、ラシェールカくん。手袋は外した状態で反対側に手を乗せ給え」

「はい」


 ラシェールカが手を乗せると、反対側の天秤にはジャネライラーが手を乗せた。特に何か音が鳴ったりすることもなく、中央に付いているディスプレイに表示が出るだけだ。ラシェールカの側からはディスプレイの文字が読み取りにくいが、何かのパーセンテージ表示がされているようだ。


「ふむ……珍しいが……班長も確認して頂きたい」

「はいは〜い……あらまぁ、えっと〜ジャネライラーくんの結果は……えぇ!珍しいね〜」

「ええと、この機械は何なんでしょうか……」

「あ、ごめんね〜。この機械は、ズバリ!相性チェック君!って言う名前なんだけど〜、相性を確かめるために直接接触すると〜場合によって体調不良とかが出る事があるから〜、機械を間に挟んで体調不良が出ないようにした物だね〜」

「ズバリ!相性チェック君ですか……。それで、どんな結果だったんですか?」

「私たちからは相性最高!の80%台が出てて、ラシェールカちゃん側からは相性良の60%台だったよ〜」


 ズバリ!相性チェック君!は、相性が悪い場合に体調不良が出ないよう研究開発されたもので、天秤の秤部分に触れた二者の魔力的相性を高精度でチェックしてくれる優れた機械だそうだ。真ん中にあるディスプレイに相性が表示されるが、結果は第三者が確認する前提のつくりになっているようでチェックされている側からは割と見えにくい。相性はパーセンテージ表示で、0-20%は最悪、20-40%は悪い、40-60%は普通、60-80%は良い、80-100%が最高の五段階評価で通常は両者とも近い数字が出る事がほとんどらしい。そのため、ラシェールカと相手の、差がある結果はかなりレアケースなのだとか。


「う〜ん……この結果だと〜もう少し情報が欲しいから他の人のも確認したいよねぇ……」

「そうですね、仕切りを設置して何名かにブラインドテストの実施は如何だろうか」

「そうだねぇ〜。ラシェールカちゃん、ちょっと別室で何人かと確認してもいい?」

「構わないのですが……この後ブランジェラ課長?がいらっしゃるかもしれないのでは?」

「来る前に連絡があると思うから大丈夫だよ〜じゃあちゃちゃ〜っと用意して、データ取りましょう〜!」


 目的の場所があるのか、二人は迷わず廊下を移動する。ニアラローズも大概『狂った魔法使い(マッドウィザード)』のようだ。少しだけ歩いた先、たどり着いた部屋は中に仕切りがあり、小部屋が二つあった。どうやら匿名で相性チェックを行う為の部屋らしく、小部屋の中から外は見えず、相性チェックの機械の天秤だけが置かれている。ラシェールカは片方の部屋に入って天秤の上に手を置くだけで良いようだ。暇だろうからと備え付けのテレビを見ているようにと言われたが、よく考えたら業務時間にあたると思うのだが良いのだろうか。

 ぼんやりとテレビを見ながら検査を受け続けて十五分程が経過しただろうか。柔らかい肘置きがあったため、腕の負担はそこまでではないが、同じ姿勢を取り続けるのが正直キツくなってきた。いつまで続くんだろうかと思っていた時、ようやく外から声が掛かった。


『ラシェールカちゃん~おしまいだよ~』

「あ、はい」


 慌てて手袋を身に着け、そろりとドアから出ると、笑顔のニアラローズと仏頂面のジャネライラー、強面の筋骨隆々の壮年男性が一人。


「先ほどはうちの部下がすまないね、改めまして、私はブランジェラだ。貴女の上司も交えて、少しお話良いかな?」

「ひゃい」


 売られていく家畜のような気持ちで移動した先は、先日も来た覚えがある応接室だ。よく見ると先日とは違う内装だったが、ラシェールカに周りを見るようなそんな余裕はなかった。ソファに全員が腰掛けると、改めて先日の任意同行の事から今日の食堂事件までの経緯確認をされた。ラシェールカとニアラローズで時折補足を入れつつスムーズに経緯確認は終わった。


「それで、先ほどまでは相性チェックの部屋で何を?」

「グレンディン隊員の反応が、魔力共鳴によるものだとしても過激、でしたので~、相性チェックのブラインドテストを実施していたんです~」

「結果としましては、全員が最高の相性でしたがラシェールカくんからは普通~良いの結果で魔力相性におけるレアケースと断定しております。失礼ですが、グレンディン隊員は魔力に癖がある方でしょうか?滅多に最高判定が出ないのであれば、過激な行動に至ってしまったことも説明が付くかと存じます」


 魔力相性が良いだの悪いだのの話はまだきちんと理解していないラシェールカは、どう反応したらよいか分からず曖昧な笑みを浮べるしかない。顎を撫でながら考えをまとめていたらしいブランジェラ課長は、ついには頭を抱えてしまった。

拙作をお読み頂きありがとうございます。

今話は区切りの兼ね合いでいつもより少し短めです。

次話は12/15 18:30の予定です。


最近寒くて、何をするにも億劫ですね。

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