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10.第八班の準助手、初出勤

今回かなり短めです(1800字程度)

季節の変わり目で体調を崩してしまい寝込んでおりました。現在は復調しておりますが、執筆が遅れました…。

 あれから、ニアラローズに連れられたラジュカ改めラシェールカは美少女の姿に目がくらみながらもなんとか勤務場所の位置関係を確認し、アレルバータが処理した書類にサインを書きまくった。寮には明日から入れるらしく、明日の日中に引っ越し処理をしておいてくれるらしい。家具家電は最新の物が備え付けられているらしく、今の住まいの家具家電は置いていく事にした。今まで引っ越しを繰り返していたので、元々荷物は最低限しか無い。精々服や枕を持ってくるくらいだろうか。聞けば、魔法使い専門の引っ越し業者があるそうなので、休日が決定したら荷物の移動をお願いすれば良いそうだ。


 そしてバタバタした”塔”での手続きを終えた次の日。ラシェールカは緊張に包まれながら昨日案内された第八班の研究室に来ていた。研究室にたどり着くまでにはいくつか入場ゲートがあったが、薄紫色のカードは入場キーとして問題なく動作し、研究室前まで来れてしまった。どこか夢見心地だったラシェールカは、問題なく来れてしまった事で変な緊張をしていた。


「夢じゃなかった……どうしよう……」

「おはよ~ラシェールカちゃん」

「ひゃあ!!」


 がちがちに固まっていたラシェールカの背後から声を掛けたのは班長のニアラローズだった。昨日と変わらない美少女顔である。にこにこと屈託のない笑顔を浮かべ、さあさあ入りなさいと入室を促してくる。


 戸惑いながらも入室した研究室は、研究室と聞いてイメージするような散らかった部屋ではなく綺麗に整ったオフィスといった感じであった。テーブルによくわからない機械が置かれていたり、紙の束があったりはするが、それ以外はごく普通の部屋である。いや、よく見ると壁際にはドリンクバーの機械が置かれているし、小ぶりなカゴにはお菓子が積まれている。遠目に確認できたのは焼き菓子だけだが、あれはもしや有名ホテルの焼き菓子じゃなかろうか。特徴的な黄色と青色のパッケージは見間違いではないだろう。魔法使いになるだけで、高級菓子がご自由にどうぞ状態になるなんて目眩がしそうだ。


「あぁ、ようやく来たかね。そこに座り給え」

「ジャネライラーくん!その態度は、よろしくないんじゃないかな〜?」


 戸惑いながら入室したラシェールカをぞんざいに呼び付けたジャネライラーに素早く応戦したニアラローズ。どうやら自分の部下から報告が上がってこなかった事に腹を立てているらしい。優しい口調に反して目が欠片も笑っていない。


「あ、えと、おはようございます……。今日からお世話になります、ラ、ラシェールカです。よろしくお願いします」

「ふむ……。まぁ良い。では早速だが業務についてだが」

「すとーっぷ!すとっぷだよジャネライラーくん。君はラシェールカちゃんの事を振り回しかねないので、しばらくは私も研究に付き添わせていただきます!」

「班長も彼女に興味がお有りなだけでは?」

「えへへ〜。まあまあ、今日はジャネライラーくんがデータを取りつつ、魔法使いの初歩的な知識とか、魔力の動かし方とかそういうのをやってもらおうかな〜って思ってたんだよね。いきなり何かの研究してください〜って言われても困っちゃうもんね〜?」


 ニコニコ笑顔のニアラローズとむっつりとした顔のジャネライラーの二人に挟まれて、ラシェールカは愛想笑いを浮かべるしかできなかった。よく考えたらラシェールカは今後、死ぬまで魔法省勤めが確定しているのである。そもそも長期間同じ職場で働いた経験が無いし、人との距離は取るものだと思って生活していたため、適切な距離感が分からない。


「班長が名付けをしてしまったんですよね。どのような影響があるかまた調べ直しではないか」

「私の魔力特性は"見る"事向けなんだから相性は悪くないでしょ〜?全く、楽しそうにしちゃってさ〜。あ、ラシェールカちゃんそこに座ってね〜。……もしかして名付けを後回しにしようとしたの、わざとなんじゃないの〜?ねえ、ジャネライラーくん?聞いてる?」


 二人は言い合いをしながらもテキパキと何やら機械の用意をしている。この間見た(使われた)覚えのある機械もある。一通り用意が終わるとニアラローズがにこにことしながら椅子に腰掛ける。ジャネライラーは先日と同じように端末の数字を見てあれこれしているようだ。


「じゃあ〜調べてる間に簡単な講義からしていくね!まずは魔法使いの人口減少からなんだけど〜……」

「お手柔らかにお願いします…」

拙作をお読み頂きありがとうございます。

次話は10/10 18:30頃の予定です。

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