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初夢の美少女

作者: パピヨン

最悪の初夢。

でもホラー短編小説としては悪くない。

おお。割と最悪な夢を見た。

今年初の夢だからこれが初夢って事になるのか。

時は昭和。俺は青年だった。

町内会だか学校だかの温泉旅行があり、山奥の温泉旅館に連泊した。近くにはスキー場もあり、ウインタースポーツが楽しめるらしい。

そこで可憐な少女と出会う。


ショートカットが似合う、ちょっとボーイッシュな娘。少し片足が悪いらしく、たまに動きがぎこちない事がある。引っ込み思案な所のある娘と俺は不思議と気があった。釣りが好きでよくやるらしい。

旅館は大きな湖に面した所にあり、温排水が流れ込むため一年中凍らず釣りができる。


俺の仲間は皆スキーに行ったが、俺は釣りが好き。娘も釣りが好きだったので一緒に釣りをして過ごした。

「ずっと一緒にいられたらいいのに」

旅行最終日の前日にそんな事を言われた。引っ込み思案な娘の事だ。余程の覚悟のうえで言ったに違いない。こちらとしても娘が好きだった。もちろんYESだ。


すると、面白い事を教えてくれるという。「雪の泳ぎ方」だそうだ。手足に水かきのような装具を付けて雪の上を泳ぐ。ほとんど飛ぶように泳げた。あまりに体が軽いので、試しに飛び上がってみると少しの距離なら飛べるほど。


最終日の夜。酒宴があり、その後皆で風呂に入っている時に火事が起きた。脱衣所は炎に包まれ、逃場といったら露天風呂の外の湖しか無い。数百mも泳げば安全な船着き場まで辿り着けそうだ。うまいことに、手近に例の水かき装具がある。皆に使い方を教えて、泳ぐ。これは普通に水中でも使えるようだ。


泳いでいる最中、娘は俺のすぐ後ろを泳いでいた。(今思うと混浴だったのだろうか)船着き場まで残り半分程の距離の所で、娘がいない事に気がつく。溺れたのだろうか。慌てて探していると、ヒトと同じ位の大きさの真っ黒い影が水中にあった。一目で、明らかにこの世の物ではないとわかった。


だが、何故か確信があった(これはあの娘に何かしら関わりがあるものに違いない)そう思い、影に近づく。影は俺を導くかのように水中を進む。その方向は絶賛炎上中の旅館だ。


おかしい。さっきまで軽々と泳げていたはずなのに、体が重い。水かきの装具が重くなってきていた。外す事にする。


しかし、片足の装具だけ外れない。仕方ないのでそのまま影を追う。どんどん体力が無くなってくる。溺れそうだ。だが、気力だけは十分。あの娘と一緒ならどこまででも行けるだろう。


とうとう旅館まで戻ってきてしまった。もう船着き場まで泳ぐ事はできないだろう。俺もここまでのようだ。


黒い影は、湖底に沈んでいった。俺も、もう浮いていられない。やけに重い片足の装具に引きずられるように一緒に沈む。旅館が大炎上しているので、湖底まで光が届いている。

黒い影は、水底に沈む何かに吸い込まれて消えた。


それは人骨だった。片足に足枷と重りが付いている。


この世の終わりみたいなうめき声が聴こえて起きた。うめき声は俺の口から出ていたらしい。

年明けの災害。悲惨な航空機事故。今夜寝て起きればもう仕事始め。きっとそんな環境がこんな夢を見せたのだろう。

被害に遭われた方々にお見舞いと哀悼を。

そして、この瞬間にも懸命な捜索・救助・支援を続けられているすべての人に敬意を。

私の心はあなた方と共にあります。


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