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ことりの恋

作者: maru

初恋のことりのお話。

ボク、小鳥なの。

黄色の小鳥なんだ。

黄色い鳥というと、

漫画のキャラクターの小鳥を

連想されちゃうんだけれど、

あの小鳥とは似て非なるものさ。


ボク、

コーヒーを淹れるが得意なんだよ。

いつか喫茶店を開くのが夢なんだ。


ところで、

ボクには初めて好きになった子がいるんだ。


その子は体全体がふっくらしてて桃色なの。

小鳥のようで小鳥じゃない雰囲気なの。

頭の上に触覚があるんだよ。

羽もボク達と違って蝶々みたいなの。

ボクは桃色ちゃんと呼んでるんだ。


ボクが「キミの羽は蝶々みたいで、とても綺麗だね。」と言うと,

桃色ちゃんは、

少しおすましなお顔になって、

「ワタシ、鳥よ」と言うんだ。


ボクは違うと思うけれど、桃色ちゃんがそうだと言うので、そう言うことにしておこうってそっとしておくことにした。


どこが好きかって聞かれると照れちゃうんだけど、その子、いつもふわふわしてて地に足がついていない感じがボクにはとても癒されて可愛い子だなあ、って思ったんだ。


けれど。。。

桃色ちゃんは、とにかくワガママなんだ。


ボクが心を込めて淹れたコーヒーも、「これ、イヤよ、ワタシの好きな味ではないわ。花の蜜みたいなのがいいわ」とか平気な顔で言うんだよ。


ボクのトレードマークの蝶ネクタイも、「変なのー。蝶々の形のネクタイってよくわからないわ。」と言うんだよ。


ボク、この子,やっぱり小鳥ではないのかなあと思いつつも、そんな事は気にしてないんだけれど、

段々悲しくなって来ちゃったんだ。

ダメダメばかり言うんだもの。


たくさんたくさんケンカしたんだよ。

平和主義のボクがケンカなんて、自分でもびっくりしたよ。


ある日、桃色ちゃんがひっそり泣いているのを見たんだ。「なんでワタシには触角があるのかしら。羽の形もみんなとは何で違うのかしら。ホントはやっぱり鳥ではないのかしら。」って。


ええー!

この子が泣くことあるんだーー!

実は強がって1人で悩んでたんだ。


ボクは知らんぷりして、さりげなくコーヒーいかがと聞いてみた。


桃色自称小鳥は、照れくさそうに、

「ありがと。ホントはあなたの淹れたコーヒー気に入ってるの。ネクタイも似合っていて素敵よ。」と言ってくれたんだ。


だからもう少し側にいてあげようって思ったの。


どんどはれ。


※どんどはれは、岩手県の方言で終わりという意味です。

#アイリスIF3大賞

私は発達障害があります。桃色自称小鳥のように、人と違う自覚があります。黄色の鳥のような理解者が増えると嬉しいなあ、と思って書きました。

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