第五話 怪異
今回はちょっとだけ長くて、少しギャグ少なめです。
車(?)に乗せられて約10分。
俺は、自分の家らしき所に着いた。
高層ビルの最上階が家らしい。
なんだろうな…未来感半端ないな… 真っ白な壁。透明感のある窓。
呆気に取られ過ぎて、ギャグが冴えない。
少し、転生した事を実感し始めた。
ちなみに名前は、龍弥そのままだった。 (決して考えるのがだるいとかではない)
俺はメイド(黒髪美人系メイド。以下メイドA)に運ばれて、
しばらくすると、メイドAが止まる。
メイドAは目の前にあるモニターに パスをかざして、
暗証番号を入れ始めた。 ちなみに暗証番号は、1111。
おい、そんな簡単で良いのかよ。
すると目の前の壁が一部、急になくなり、
人が一人、通れるぐらいのスペースが出来る。
その奥には大きな部屋が出てきた。
部屋にはメイドがもう一人いる。
するとメイドAが単調な口調で喋った。
「龍也様。お部屋に着きました。」
部屋にいたメイド(以下メイドB)が馬鹿にしたように言った。
「おいおい、まだ言葉なんてわからないだろ」
むっとするメイドA。
「いいえ、××様の子供なのですから、言葉ぐらいわかります」
「いいやわからないね!
こいつはまだ1歳も経ってない。※精神年齢16歳
言葉なんてわからないだろ!※完全理解
どっかの物語じゃあるまいし!※物語」
メイドBが言葉を発するたび、 メイドAの顔が険しくなる。
その時、プチっと音を聞いた。
メイドAはまるで鬼の様に怒り出した。
……いや、鬼というより鬼神か…
「龍弥様は全てを理解しているお方です!」
「そんなわけないだろ!馬鹿かお前!」
「全能の神も超える、全能。 もはや、龍弥様はこの世界の創生主…」
「もはや信仰かよ!何なんお前! こんのクソガキがよぉ」
メイドAも酷いけど、メイドBもBで酷いな…
俺はメイドAは俺を急に抱きしめて、 優しい口調で言う。
「この、ろくでなし口の悪く品のないメイドは、ほっておいて、家を紹介しますね!」
……お、おう
家には様々なものがあった。
メイド二人に執事一人。
生活用品らしき物も、揃っている。
書斎から、大きな自室まで。
ちょっと細かい描写が面倒いから、 端的に言うと、
俺が住んでいた家に モニターが沢山置いてある管理室?
らしき所が付け足された感じか…
ふと大きな窓を見ると、 この都市が見渡せた。
高い高層ビルが連なり、 大きなモニターが設置されている所。
空中に、設置された道路。
とても、発展していて、一見平和そうな町だった。
ふと、影がかかったような気がした。
何処か空虚でな印象を受ける。
_____ただそれだけだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「龍弥様?」 メイドAの、呼ぶ声が聞こえた。
どうも。転生したが願いが全然叶わなかった、 不運系イケメン主人公りゅーやです。
そう、生まれてから2年がたち、 やっと世界に慣れてきた。
え?何をしてるかって? 俺はそう、本を読んでいるのだ。
本は前世から好きだった。
読んでいると、 自分が凄い天才に思えてくる。
眼鏡をかけて分厚い本を読むと、 何となく頭が良くなった気がするのだ。
その発言が天才じゃない? それはそれ、これはこれだ。
「龍弥様!見つけましたよ」 メイドAが目の前にいた。
輝かしい笑顔とは言えないが、 無表情の中に少しだけ、
自慢げな表情が 浮かんでいた。
俺は読んでいた本、〜近代史がよぉくわかる、素晴らしい本〜 に視線を戻した。
この本がやたら長くて、 作者の自己PRは飛ばして、
重要なさそうな箇所を読む。
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2045年 化学到達点突破
化学が急速に発展しすぎて
自然を壊してしまうため、
発展を制限した。
2930年 未知の生物「怪異」を確認。
怪異の詳細は不明。
2960年 怪異が大量発生。
2963年 怪異が悪霊化する事が発覚。
怪異による死亡事故。
↓
社会問題へ
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次のページを開くと、怪異の写真が載っていた。
ヒトとは明らかに違う異質な形をしている。
そんな、「怪異」を囲む、人たち。
何処か見たことがあるような気がして悪寒が走った。
その次のページは切り取られていてよく見えない。
怪異。
そうつぶやいた声はかすれていて聞き取れない。
妖。
妖怪。
怪物。
言い換えても、何処かしっくりこない。
やっぱり「怪異」なのだ。
もう一度ゆっくり言う。
「怪異」
コレ……だ。
_____________今度は言えた。
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