え?婚約破棄?で、苛め?でもソレ私じゃありませんよ?
涼しく優しくトオイメでみてもらえると助かります(エェ……
「メリエスト!貴様との婚約は破棄させていただく!!」
この人は何を言ってるんでしょうか?
どうも皆様初めまして
オルロージュ国のサイフォス殿下の婚約者中?のロマンシア公爵家次女メリエストにございます
そして私達の婚約発表会という目出度い式にて婚約破棄だという戯れ言をおっしゃってるのが、サイフォス様です
エスコートもならさず、私と思われたヴェールを被った少女を連れて来るとは何とも愚かな事です
王様も王妃様も、少女と私を見比べて青くなったり赤くなったりお忙しいご様子
「何があったのかは知りませんが、婚約破棄に同意いたします」
本当に何があったのでしょう?
「それでは御前失礼いたします」
私はすぐさま去ろうと思ったのですが呼び止められます
「まっ、まて!お前はこの一年私の愛し子を苛め、更には殺害を目論んでいたと聞くぞ!!罪を認めて謝れっ!!!」
え?はっ?私はこの一年隣国に貴方の代理で留学視察させられてたのですけど?!
……………はっ!
「ほう……やはり思い当たりがあるではないかっ!!」
「っっ!!違っ!!」
あぁヤバいヤバい!!
マジでヤバい!!!
確かに私に似た方を見たことがあると!!
「とっ、兎に角私ではありませんっ!!
っがっ!!御愁傷様ですっ!!
お気をつけ下さい!!!」
私はダッシュで飛び出した
淑女も猫も逃げちゃう勢いで走り出しました
その後お開きになり、留学時の伝をつたい歩き家族ごと隣国に逃げました
その後、サイフォス様と愛し子はお互い不慮の事故が相次ぎ、憔悴のうち儚くなられたようです
思えば苛めといわれたものはポルターガイストや怨霊の仕業だったのでしょう
婚約破棄とお互いの血筋が彼女の眠りを揺り動かし目覚めさせてしまったのでしょうか……
昔話をいたしましょう
私の曾祖父の時代、彼の妹がその世代の王子に婚約破棄され、冤罪を企てた王子と相手を呪いながら毒を呑み儚くなったそうです
そしてその頃からとある令嬢の幽霊が夜な夜な徘徊するようになったそうで……
私達も小さい頃の絵本話のように聞いた事はあったのですが、あぁ……
わるいことをすると呪われるよ、と
私はこの一年祖国におりませんでしたので、冤罪であったのは間違いがなく、隣国で仲良くなった王太子妃のお墨付きで疑いは晴れました
そして私は、王太子妃の愚兄(王太子妃「ええっ愚兄で結構ですともっ!!」)とされた英雄ライハルト様と結婚いたしました
中々乙女心を解さないお方だったようで、引く手数多なのにバッキバキにフラグ折り連チャンで今まで独り身だったようです
(王太子妃「熨しつけても貴女と義姉妹になりたかったんですものっ!!!」)
その後「お互いやりたいことをして、たまにイチャイチャ出来たらいいな」というプロポーズの元、かすり傷同士?結婚となり、まぁまぁな溺愛をへて子宝に恵まれました
何処でスイッチ入ったんだろうね?と、七不思議の1つに数えられる事になりました
解せぬ!
因みにその後王様と王妃は墓参りにいかれたご様子です
怨霊?の妹様はヒロインそっくりだったご様子
苛め発言は、他の令嬢がヒロインに罪を被せる感じで「あの方がそうおっしゃって~」と苦言してた他の、所有物破壊や突き飛ばされたりは、怨霊令嬢の仕業です
彼らのその後の超常現象も彼女の仕業です
因みに魔法のない世界なのでどうにも出来ません
なにそれ怖い
祖国が阿鼻叫喚だった頃、ヒロインは王太子妃ちゃんとキャッキャウフフでお勉強したり慰問したりカフェいったり楽しい時間過ごしてました
サイフォスは婚約者としての役目を果たしてなかったので、彼女が隣国にいったことも覚えてない←通達はしていた……事もわかってませんでした
王太子妃の愚兄は乙女心がワカンナイ人でしたが、愛の反対は無関心な感じで、令嬢達に興味が持てぬまま、婚約、婚約解消を繰り返していたようです
ヒロインに関しては何処かでスイッチが入ったらしく、「好き勝手に生きよう!!」からの溺愛(回りの令嬢には塩マシマシ対応)になった
好き勝手に~は、ほぼほぼ「君を愛する事はない」系統だと思う……