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⑥ハグの女
毎回、ハグを迫られる。
付き合ってはいない。
そんなに、仲がいい訳でもない。
デートは、友達みたいに進む。
手を握ることなく、距離は離れている。
受付と、社員の関係。
そこから、発展も後退もしない。
最後だけ、カラダを触れさせる。
それだけで終わる。
何かあるわけではない。
だから、断れない。
何か変化を、起こさないといけない。
このままだと、この関係は延々と続くだろう。
怒りだと、認識されてもいい。
愛しさだと、認識されてもいい。
私は、強くハグをして、変化を与えた。
「えっ?」
その男性の反応に、私は無表情で、一回首を縦に振った。




