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不器用な俺と、不器用な彼女。  作者: こーんしちゅー
1/1

【1話】

プロットや今後の展開等なんにも考えていない見切り発車ものです。 なので、だらだらと続くことが予想されますが、気長に読んでくださると幸いです。

また、小説を書くのも初めてなので、文章がものすごく拙いです。ご了承下さい。



 寒さが多少は和らいでくる3月初旬。

 和らいでいるとはいえ、コンクリート造りの校舎の中はまだ少し肌寒い。

 そんな中、この桜丘高校の放送室には緊張した空気が流れていた。

 4人の生徒が丸く椅子を向かい合わせにして座っている。

 その4人全員が真剣な表情を見せている。

 しばらく経った後、そのうちの一人が話し出す。


「みんな、そろそろ決まったでしょ。

 じゃあいくよ! せーの!」


 一人の掛け声で他の3人も一斉に指を出す。

 そして自分以外の3本の指が自分を指す。


「ってことで、次の部長は宏太にけって~い!」

「ま、やっぱり宏太になるよな。」

「うんうん。宏太ならしっかりやってくれそうだし。」

 緊張の糸が切れたのか、それぞれが喋り出す。


 そう、今まで桜丘高校放送部の次期部長決定会議を執り行っていたのだ。

 この学校の放送部の先輩、つまり2年生は3年生に進級すると同時に引退となる。

 なので、先輩方が引退する前のこのタイミングで次の部長を決めておくのだ。

 普通なら次期部長というのは先輩方や顧問も交えて決めるものなのだろうが、どうやらこの部活では後輩だけで決める風習があるらしい。

 そして、その風習にならって、自分たちも次期部長決定会議を開いていたのだ。

 まぁ次期部長決定会議なんて言ってもただの指差しでの多数決なのだが。


「お前らなぁ、そんな適当に決めて大丈夫なのかよ。」


 部長になるのが嫌なわけではないが、こうも簡単に決まってしまうと不安になってしまう。


「いやいや適当じゃないよ~。

 ちゃんとみんな考えたじゃん。

 それで、宏太を選んだってことだよ~。」 


 そう答えたのは部員の一人の栗宮葉月。

 この部活のアイドル枠(俺目線)だ。

 ムードメーカー的存在でもある。

 おっとりしているようで実は真面目。

 俺は部長になるなら葉月だと思っていたし、指差しのときも葉月に指した。

 まあ俺になったんだけど。


「ならさ、ひとりひとり、なんで宏太にしたのか理由言ってこうよ!」

 そう提案したのは鈴木風奈。

 ちょっと天然味が強いが、しっかりはしている姉ポジションだ。

 ちなみに、指差しの掛け声をしたのは風奈である。


「はい、じゃあ隆人から!」

「え、俺から!?」


 たった今風奈からキラーパスを受けたのは水野隆人。

 オタク属性をもつこの部活の編集担当。

 あとこの部活のイジられ担当でもある。

 まあポロシャツ来て眼鏡かけてアニメのフィギュアを近くに置いてパソコンカチカチしてるような奴をイメージしてくれればそれで合ってるだろう。


「なぁ、なんか今誰かにバカにされたような気がするんだが気のせいか?」


 あっやべ。


「あんたがバカにされるのなんていつものこのでしょ。そんなこと言ってないで、早く理由言って!」


「はぁ、まぁいいか。

 えーと、宏太に指した理由だよな。」


 そうして、隆人は俺を選んだ理由を話し出した。


「宏太って俺らの中じゃ一番社交的?っていうか、人付き合いうまいじゃん。俺らとだってすぐ打ち 解けてたしさ。そういうところ、部長としてかな り大切になると俺は思ったから。それが理由。」


 ...。


 少しだけ沈黙が流れた。


「隆人くんって意外とちゃんと考えてたんだ…」


 俺、風奈、葉月全員が思っていたことを葉月が言ってくれた。


「意外とってなんだよ意外とって!」

「そのままの意味よ。

 なんかもっと適当な理由だと思ってた。」


 風奈の言葉に俺も葉月も頷いていた。


「ほんとにお前ら俺のことなんだと思ってんだよ…

 ほらっ次いくぞ! 風奈はどうなんだよ!」

「私? そんなの決まってるじゃない。」


 どうやら次は風奈の番のようだ。

 というか理由を話すだけなのになんであんなに自信満々なのだろう。そんな核心的な理由があるのだろうか。


「宏太を選んだ理由。 それは…

 宏太がザ・部長な感じだからよ!!」


 …。


 再び沈黙が流れた。

 そして、


「「「え、それだけ?」」」


 3人の声が重なった。

 その3人が誰なのかは説明しなくていいだろう。


「それだけってなによ! 感覚的に宏太が部長が良いと思った。それで十分じゃない。」


 あー、これこそ風奈の天然だ。

 いやこれ天然で片付けていいのか?


「風奈お前、よく俺のことバカにできたな…」

「ちょ、どういうことよ!」

「俺、やっぱり部長やめとこうかな…」

「宏太までなに言い出してるのよ!」

「風奈ちゃん、ほんとに言ってる?」

「葉月まで~! えっなに?私おかしいの?」


 しかも自分でおかしいと気づいていないときた。


「あ~まあ風奈の理由は分かった。

 後は葉月だな。」


 これ以上風奈を喋らせておくと彼女の立つ瀬がなくなっていくと感じた俺は、葉月に話を振った。


「そうだね。なんか風奈ちゃんの後だとこれ言うの ちょっと恥ずかしいな。」

「理由に恥ずかしいとかないでしょ。

 ほら言っちゃって!」

「それを風奈が言うか…」


 一番恥ずかしくなってほしい奴が自覚をしていない…



 しばらく間をおいてから、葉月は喋りだした。


「えーと、宏太くんが部長がいいなって思った一番の理由は、部活のことも、私たちのこともよく考えて行動してくれてるなぁ 

って思ったからかな。」

 葉月はなかなか嬉しいことを言ってくれた。

「でも、それならみんなそうじゃないか?」


 俺は率直な疑問を口にした。

 別にみんなだって部活のことを考えて行動しているはずだ。俺だけが特別目立った行動をしていたわけじゃない。


「確かにみんなもそうだけど、宏太くんが一番しっかりしてるなって。 だって宏太くん、いつも練習行く前、放送室に最後まで残って忘れ物とか確認してくれてるじゃん。」

「あーそれで言うと練習場所の教室の窓の閉め忘れとかも確認してくれてるよな。」

「あと部活の予定の連絡とかも。」

 みんなそれぞれに思い当たる節を並べていく。

「でしょ? だから宏太くんが適任かなって…」


 …。


 三度沈黙が流れる。


「すっげーちゃんとした理由。」

 隆人が声を漏らす。

「そうね。

 こんなこと言われたら宏太、あんたが部長になるしかないわね。」

「もとから降りる気は無かったけどな。」

「あーやっぱり恥ずかしい…」

 葉月が顔を少し赤くしていた。

「いやいや葉月が恥ずかしがることないって。

 一番恥じるべきは風奈だから。」

 一応葉月にフォローをいれておく。

「ちょっとどういうことよそれ。」

「ふふっ。そうだね。」

「葉月もどうことよ!」

「まあまあ、これで理由も話し終わったし、

 宏太、どうする?」

 隆人が風奈を抑えて話をまとめようとしてくれる。


「そうだな。こんだけみんな考えてくれてたんだ。 責任をもって、俺が部長になるよ!」

 そして、3人から一斉に拍手が起こった。


 そうして晴れて、次期放送部部長はこの俺、

 泉宏太に決定したのだった。



ここまで読んでくださりありがとうございます。

感想コメント、誤字脱字報告等していただけたら嬉しいです!(誤字脱字に関しては、たくさんあると思うので…)

それと、最初に書いた通り、この後の展開もあまり決まっていないので、更新頻度はゆっくりになりそうです。

(先に書き留めを作っておくことも考えていますが、それだと次までが長くなってしまう…)

今後の展開に関して「こんなのとかどう?」的な提案があれば教えてもらえると助かります!


また、Twitterもやってます。

そこでは、執筆状況等呟いていけたらなと思っています。

Twitter→@koon19_HSB

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