プロローグ
「そぉ言われましてもね。覚えてないんですよ。全く。」
「死んだのかとか。転生か召喚か降霊術かとか。」
「絶対に人間だったっと思います…たぶん。」
「いや、記憶が無くても感覚で人だったって解りますよ。」
「現にいま会話が成立してるでしょ?理性や思考能力もあるし。」
「普通はさ。あり得ないんでしょ?私みたいのと意思疎通できるって。」
「困ります。そう決め付けられるのは。」
「アナタが事を大きくしてるだけです。ただの憶測ですよ。それ。」
「襲いませんって。呼吸や心音は安定してるでしょ?先ず確認されては?」
「いや、失礼受けてるのはむしろコッチです。」
「分かり切ってるってセリフがもう解ってないんですよ。お宅の妄言に付き合ってるほどヒマじゃないんですがね、こっちは。へー、意識ない子に話聞けるんですね。スゴイデスネ。」
「彼女が目を覚まして事情を聴いてから話し合いましょ。そうで無ければ話を続ける気はありません。私は。」
「これ以上、妄言で難癖をつけてくるならコチラもそれなりの対応を致しますよ。」
「あなた方のお仕事をよく考えて下さい。一つは住民に、一つはこの部隊そのものに被害が出ないよう、事態の収束を図る事こそが最優先に果たさなければいけない義務だと思いませんか?」
「このままじゃ終わりが見えないので、一旦お開きとしましょう。私にとっても今後を占う問題なんで逃げも隠れもしませんよ。」
「もし自分が対応できる範疇を超えていると思うのであれば、早急にそれが可能な立場の人を連れてきて下さい。」
「理解しましたか?もう同じことを何度も言わせないで下さいよ。」