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魔法が使えないエルフと最強魔法使いの冒険譚  作者: タライ
タイタニア編上
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悲しき現実

「うぅ・・うう・・・」

 日本家屋の二階の一部屋で泣く少女

 栗色の髪をポニーテールで束ねており

 整った顔立ちも涙で崩れている

 そんな少女の涙の理由は・・・・・

「な・・なんで・・・・うぅ・・ぅううこれから・・・だったのに・・」

 手に持った写真の人物に向けてであった・・・

 その写真に写っている少年は人相こそ悪そうに見えるが・・・・・ケーキをほおばる少女の口元に着いたケーキをハンカチで拭いてやっているさまからかなり優しい印象を受ける

「どう・・して・・・・カイト・・・」

 少女はその少年の名を呼びながらとめどなくあふれる涙を止めようとするも・・・・それはできないでいた・・・

「あの・・あの時私が・・・もっとしっかりしてれば・・・」

 ついには泣き崩れる少女は・・・・過去の自分の過ちを後悔する

 少女は思う・・・一体何度・・ベッドの枕を涙で濡らしただろう・・・・

「二人で!・・・がんばろうって・・・言ったのに・・・私が!・・・全部だめにしちゃった・・・・」

 写真がくしゃくしゃになるくらい力が入る少女・・・・

「いやだ・・・いやだよ・・・・カイトのいない・・・世界なんて・・・・いやだ」

 少女がひとしきり泣いたとき・・・扉をノックする音が聞こえる

 少女は涙を拭き・・・・答える

「は・・・はい」

「ユカちゃん・・・その・・・・・」

「おばあちゃん・・・・大丈夫だよ・・・大丈夫」

 少女をユカと呼びノックをしたのはユカの祖母であり

 二人は扉を挟んで話をする

「カイトの・・・・ことを考えていたのかい?」

 ユカは少し間を置いてから応える

「はい・・・・」

「そうかい、それはあの子も幸せだね。」

「えっ?」

 祖母の言葉に思わず驚くユカ

 そんな床が理由を聞く前に祖母が話し出す

「ユカちゃんのようなかわいい子にうちの孫がそこまで思われていたなんて・・・・・」

「・・・・・・・・」

 それを聞き押し黙ってしまうユカに・・・・

「入ってもいいかい?」

「はい・・・」

 木製の扉を開き入っていく祖母は・・・・

 人相がカイトにそっくりである

「もう・・・10年たつのね・・・・ユカちゃんがうちに養子に来てから」

「そう・・ですね」

 ユカは実の孫ではなく養子であり・・・実の孫は・・・もうこの世にいない

「悲しい・・事件ね。」

「おばあちゃん・・・・私・・・辛いよ・・カイトのいない人生も・・・カイトのいない世界も・・我慢できない」

「そうね・・・辛いわね・・・私も・・・息子とその嫁がなくなった時は・・・・悲しくなったわ」

 祖母は悲しそうに顔を下に向けて話す。

 しかし・・・祖母はユカに近づき

「でもね・・ユカちゃん、生きてるものはね・・・・強く生きなければいけないの・・・・どんなにつらいことがあっても・・・前に進まなきゃいけないの・・・だから頑張りなさい」

「・・・おばあちゃん・・・でも・・私・・・・私・・」

 手に持つくしゃくしゃの写真を見て・・・・ユカは辛そうに顔をゆがませる・・・・

「もう・・・半年たつのね・・・早いわ・・・でも・・今日くらいは何か食べなさい・・・もう、五日は何も食べてないでしょう」

「・・・・・・うん・・食べる・・」

「そうかい、それなら下に用意してあるから。来なさいな」

「うん」

 祖母はそう言うと部屋から出ていく・・・・一人残ったユカは・・・・もう一度写真を見る・・・

 写真に写るカイト・・・・事件の日の事を思い出しまたもなき始めるユカ


「ユカ・・・今日の講義で分からなかったところあるか~」

「もう!カイト!私をなめないで!バカじゃないのよ!一応一緒の大学受かってんだから」

 思いだされる昔の光景・・・それは事件のあった日・・二人は一緒に暮らすアパートに帰る途中だった・・・・・・

「でもカイトと一緒に同棲できるなんて~まるで夫婦だね!」

「はっ」

 私のその言葉を受けて鼻で笑うカイト・・・・こいつめ

「ちょっと!今のどういうこと!」

 もちろん私は怒る・・ついでに少しカイトに近づく

「夫婦ならお前、少しは料理を覚えろよ。」

 ぐっ・・それは・・

 ド正論だ・・しかし・・何か・・何か・・言い訳を~

「カイトのご飯がおいしくって、ごめんね私一生カイトの作ったご飯食べるつもりだから~料理は覚えない~」

「ばーか、ふざけんなお前も料理は覚えろ、将来結婚した時旦那に何作るつもりだよ。」

 ん?旦那なんて小学生の時から決まってるし~別にいいや

「えっ・・いや~、私の旦那は料理がうまいし」

「・・・・・もう、いいよ。」

 諦めてもう認めてしまうカイト

「えへへ~私が稼ぐからカイトは家事しててよ~」

 私がそう提案すると・・・カイトは顔を真っ赤にしてこっちを向く

「は~?なに俺とお前はいつか結婚するのか?」

 人相が悪いのとは逆に純粋なところ・・ほんとうにもう・・たまらなくなるくらい・・・・かわいいって思うし・・愛おしいとも思う・・・

「そうよ~決定事項よ~」

 私はカイトの前に後ろ歩きで出ながらカイトの顔を見てそういう

「決定事項かよ・・・お前なもっといいやつもいるだろう・・」

 カイトはいまだに顔を赤くしながらも私にそう話す・・・・でも・・・・

「私は・・・カイトがいいの。小中高ってずっと・・ずっと考えてた・・」

「そうか・・分かったから前見て、その重大そうな話はまたアパートで・・おい!」

「えっ!?」 

 次の瞬間だった・・・・カイトは地面に倒れ・・引いた車はどこかに逃げていった・・・

 カイトは私を押して助けて・・・代わりに・・・・そんな・・・そんな・・

 頭から血を流し・・・無機質な目な目からは精気を感じられず・・・・ピクリとも・・動かない・・・

 やがて流れる血は私の靴にまで届いて・・・・いや・・いや・・



「あぁああぁ・・ぁああああ」

 めぐる・・めぐる・・めぐる・・記憶が終わることのないテープのように無限に・・カイトの死を伝える・・・

 私の・・せい・・そう・・カイトは私のせいで・・死んだ

「なんで・・私・・生きてるんだろう・・・カイトは私の身代わりになって・・・死んだのに」

 私の心はもう・・・だめだった・・・・

 祖母の・・励ましも届かないほど・・・・もう・・・粉々に心は破壊されていた・・・・・

 そんな絶望の淵に立つ私は・・・・暗く何も見えない・・その闇に足をかけて・・・・そして・・・・・・・


「ユカちゃん?もう・・大丈夫?」

 しばらくたっても降りてこない自分の義理の孫を心配して・・・・・見に来た祖母は・・・・

 扉をノックしても返事ないことを心配し・・・・・部屋をあけると・・・・

「いや・・・・いやあああああ」

 そこには・・・・天井にぶら下がる・・・・ユカの姿があった・・・・・



毎日投稿

作者「読んでくれてありがとう!気に入ってくれたのであれば、感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします」

セレス「・・・・・まぁ、またくれば」

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