こんの!バカエルフがぁあああ!
「ナァァァァニィイイイイイイ!!!」
セレスと俺の行きつけの酒場で俺の叫ぶ声が轟く。
周りの客達が何事かと俺らの方に視線を集めて様子を見る。
椅子の上で正座をするセレスは居心地悪そうに真っ青顔なを床下に向けて……先ほどと同じ言葉を繰り返す。
「お、お金盗られちゃっ……たぁー」
セレスが恐る恐る顔を上にあげて、俺と目が合う。
蔑みの籠った俺の目を見たセレスがビクッと体を震わせて、ソワソワとしたのちに。
目元でピースを作り舌を出して。
「てへっ!」
「よし、後ほどなんかの刑に処してやるこのバカエルフ!」
「だって急に体が縛られて!!」
「あれは見ものだったが、重要なのはなんで俺が来るよりも前にすでに酔っぱらってたのかだ」
「うっ……それはぁ」
「それは?」
セレスは辺りを見回して何とか言い訳を探そうとしており、やがてある一点を見つめてそこを指さす。
セレスが指さした方向に視線を向けると、酒場の店主がいた。
指をさされた酒場の店主も俺?とでも言いたげに自分を指さしている。
「おいしいお酒を出す店主が悪い!」
「店主、今日の分の代金ここに置いて行くぜ、ほら行くぞこの他責バカエルフ!」
「なんでよぉおお!このおいしいお酒さえなければ私だって酔っぱらって店外に出てなかったのに!」
「よーくわかった!お前は一週間!酒抜きだ!」
「ひどい!ひどすぎるわよ!人の心とかないの!!」
俺はドンッとお代を机に叩きつけて、そのまま駄々をこねるセレスの首根っこを掴んで連れていく。
「いやぁあ!モノみたいに運ばないで!」
「お前どの口が言ってるんだ!髪の毛を引っ張らないだけ感謝しろ!」
「乙女の命を雑に扱おうとするなんて最低!バカ!意気地なし!」
「よし、よくわかった!その綺麗な髪の毛を愛でれるのも今日で最後だコラァアアア!」
「いやぁあ!ごめんなさい!ごめんなさい!文句言わないから!自分で歩くから!せめて自分で歩かせっいっだい!髪の毛引っ張らないでぇええええ!!」
俺は店を出てから200メートルほどはセレスの髪の毛を引っ張って運び、それ以降はセレスが泣き始めたので髪の毛を引っ張るのをやめてやった。
酒場の店主やその場にいた客達は嵐のような俺らが去った後に皆一様にこう思った。
あんな美人と戯れるなんて羨ましいと……。
◆
原因がセレスにあるとはいえ、泣きじゃくる女性と街を我が物顔で歩く男という絵面はさすがにやばいので、仕方なく帰っている途中にあった屋台でセレスにカルメ焼きに酷似したお菓子を買ってやる。
俺とセレスで二人分買ったが……うむ、不味くもなければ特段美味いわけでもない。
本当にカルメ焼きに似た味わいのお菓子だ。
セレスは見たことないのか俺がちゃんと飲み込む姿までを見てから自分も食べ始める。
俺は毒見かっての失礼なやつだ。
俺がそんな事を思っていると、カルメ焼き風お菓子を食べた顔が喜びに染まり、パクパクと頬っぺたいっぱいにほおばって食べる。
全く子供かよ……しょうがない奴だ。
セレスはカルメ焼き風お菓子がそうとう気に入ったようでどんどん食べていって自分の分をペロっとta食べてしまう。
無くなってしまって少し寂しそうにしていたので、俺の分を差し上げるとパァっと表情を明るくさせて半ば俺の手からカルメ焼き風お菓子を奪う形で食べ始める。
まぁ、ここまで気に入ってくれたのなら別のよいのだが……このカルメ焼き風お菓子……日本円にして一つ2000円なのだ。
確かに値段だけ見れば貧民街で売るにあまりにも不釣り合いな商品だと思うが……この国での、というよい貧民街での甘未とはつまりそう言うことなのだろう。
「ねぇカイト!すごいこれ!甘くて!フワフワで!おいしい!」
「そうか、気に入ったならよかったよ」
「ありがとう!」
「おう」
そうして話しながら帰っていると、セレスが止まる。
俺も数歩先で止まってセレスの方を向く。
「ごめんなさい……」
セレスは下を向いた状態で俺に謝ってきて、俺はどう答えたらいいものかと考えていると。
「カイトが稼いだお金、盗られちゃって……ごめんなさい」
「はぁ、まぁいいよ……とは言えないけど、お前を一人にした俺にも責任はある」
「でも……」
「いやなセレス、俺はお前にも多少イラついたが、それ以上にムカついたことがあるんだ」
俺の素直な言葉にセレスが一瞬ビクッとするもすぐにハテナマークを頭に浮かべる。
「お前が一人の時に狙った、っていうのが気に入らない」
俺の言葉にセレスが頬を染めながら……少し泣きそうな顔になる。
「どんな理由にしろ、俺じゃなくてお前を狙ったという事実は変わらない、だから俺はこの泥棒を必ず見つけ出して……」
「見つけ出して?」
「なんでこの世に生まれてしまったんだって思わせるくらいの恥辱を味わわせてやる!具体的にはこの街を全裸で一周させてやる!」
「カイトったら冗談がうまいんだから……冗談よね?」
「おいおい、俺の魔法ならそれが可能だぞ」
「私これからはできる限りカイトに噛みつかないようにするわ」
「お前も勘がよくなってきたな!」
「やる気だったの!私にもそのえげつない計画を実行しようとしてたの!ちょっと見直し掛けてた私の気持ちとか返してよ!」
セレスがいつもの調子でぴーちく言い始めたので、俺はセレスに近づいてそのおでこにツンッと一指し指で突いてやる。
「イタッ何するのよ!」
「そうそう、セレスはそうやってやかましいくらいがちょうどいいって」
「ふん、でもカイト……犯人はどうやって見つける気?正直に言うけど私も酔っぱらってたからどこの誰がやったかなんて覚えてないわよ」
「うーん、それに関しては少し思いついたことがあってだな~、多分……いや九分九厘犯人が捕まえられるぜ!」
俺とセレスそのまま宿屋に帰って、俺はその思いついたことに取り掛かるのであった。
作者「俺、思ったんだがよ。」
カイト「ん?なに?」
作者「ステイナイツ最高じゃね?」
カイト「あぁ!超わかる!って本当にいい加減にしろ!なんで後書きには毎回のごとく他の作品の名前が出てくるんだよ!」
作者「それはな、他の作品が面白すぎるからだよ。」
カイト「分かるけども!分かるけどもよ!ちゃんと自分の作品にも目を向けてやれよ!」
作者「目を向けてなきゃ、続かんでしょうに大丈夫、常日頃考えてるから、仕事中にもたまに考えるぜ!」
カイト「いや、仕事の時は仕事の事を考えろよ。」
作者「お断りするZE!」
カイト「はぁ、まぁいいよ。皆、いいなって思ったら、感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします!」
作者「また読みに来てね~!」
セレス「えっ、今回私セリフなし!?」
アリ「私もにゃいから同じにゃ」




