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魔法が使えないエルフと最強魔法使いの冒険譚  作者: タライ
トント王国編
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猫ってかわいいけどずる賢いよね!

 「ヒック、お酒~、おいし~なぁ~」


 月の綺麗な夜に。

 夜道を酒瓶と共に闊歩するエルフの女性。

 その女性を立ち並ぶ建物の屋根から見下ろす。

 私はその女性に狙いを定めて……頭上へと移動する。

 狙いは彼女の腰に巻いてある袋だ。

 あそこにはたんまりと金が入っている。

 なぜそんなことを知っているかというと、それは先日まで話しが戻る。



「うわああああ、まぶしいにゃ、なんなんにゃ?」


 大量の魔石を換金した男が連れの女エルフに男が絡んでるのを助けるために何かしらの魔法を使ったようであまりのまぶしさに目をつむるほかなかった。

 光が弱まり目を開けられるようになった頃には男とエルフは消えていたにゃ。

 周りの者達はあの男の魔法がフラッシュライトという魔法だと口々に言っているが……。

 フラッシュライトはほんの一瞬のみ光を発生させる程度の魔法にゃのに、あの男の発動したフラッシュライトはおよそ1分もの間強い光を放っていた。

 本当にあれがフラッシュライトであれば……あの男の恐ろしいほどの魔力量だにゃ。

 冒険者であれば即戦力になること間違いなしだにゃ。

 何なら王国の聖魔導士にもなれるかもしれないほどにゃ。

 しかし、私からしたらそんにゃことは関係にゃく。

 問題はその前、あの男の換金した魔石の量にゃ。

 袋にパンパンに入った魔石、私の見立てではあの量の魔石なら4万ゼニー以上の価値になるはずだにゃ。

 一度で冒険者ならば五人ほどのパーティーが2週間かけて稼げるか稼げないかの額を……。

 あの男はさも当然のように換金していたのにゃ……。

 しかも1度や2度じゃにゃい……。

 少なくとも5回ほど……あの男が来るたびその袋は魔石でパンパンに膨れていたにゃ……。

 そして今日の昼過ぎくらいにその男はもう一度ギルドに現れて……。

 なんと今回は前回の倍以上の金額を換金して帰って行ったにゃ。

 一緒にいた女エルフの衣服が大変なことになっていたので、男の衣服を貸したのだろうにゃ。

 しかし薄着になった男の体は、屈強な戦士にも負けない筋肉を身に着けていたのだにゃ。

 ギルドの者達がその男を見て騒いでいたのを覚えているにゃ。

「おい、誰か!あいつを冒険者になるように説得してこい、あれは大物だぞ!」

「分かっているさ、だが昨日も少し話をしてみたら、興味ないといわれてな」

 ギルドの者達がガックリとしているが、男はどうやら冒険者になることに興味がないようだにゃ。

「ふふん、あの男だけならどうしようかと思ったけど~」

 私は盗賊シーフ……。

 冒険者登録はしているが、それはあくまでも副業。

 本業は盗賊のほうだにゃ。

 そして、大きな獲物がいて手を出さないでいるのはもったいにゃい。

 つけ入る隙は必ずあるはずにゃ!


 そう思って、今日は男とエルフがギルドをでたあたりからずっと尾行を続けていたのだにゃ。

 私は男と女エルフを尾行していると、にゃんと男が女エルフにお金を預けたではないにゃいか!

 そしてあの女エルフはおそらく弱い……。

 今日も服があんなことになった原因もスライムだろうにゃ。

 あの女がスライムよりも弱いといういい証拠だにゃ。

 最弱のモンスタースライムよりも弱いエルフ、なかなか滑稽だにゃ。


「黒魔法バインド」


 私は屋根の上からエルフに魔法をかけて、エルフがバインドで動けなくなったところで……下に降りて腰に巻いた袋を奪う。


「え~なに~うごけな~い……うける~!!」


 動けなくなったというのになぜか笑っている。

 変人だ。

 いや変態だにゃ。

 きっと酒のせいにゃ、きっとそうだにゃ……。

 私はすぐさまその場を離れる。

 

「やった!やった!こんにゃにも上手くいくんにゃんて最高だにゃ!」


 宿に帰り。

 袋を開けると10万ゼニー以上の硬貨が入っていたにゃ!

 冒険者五人組で一月はかかるほどの量のお金!!

 私一人ならもっとかかる量の金を手に入れた!


「これで、あの子たちにもおいしいものを」


 私はそう言ってネックレスにそっと触れる。

 それからお金を懐にしまって、そのまま明日のための準備をする。


「そうだにゃ、明日やるクエストが終わったら。あの子達に会いに行くかにゃ」


 お金も届けなきゃだにゃっと付け加えてつぶやいて、私はすぐさま眠り着いた。


 夜が明けてから私はすぐさま出発した。

 今回のクエスト内容は新しくできたダンジョン内の探索である。

 私は敵との真正面の戦闘は得意ではにゃいので、基本的には戦闘を避けながらマッピングをしてにゃ。

 ダンジョン内モンスターは黒魔法のブラックカーテンという気配を消せる魔法で切り抜け……。

 万が一見つかった場合は黒魔法のブラックアウトを使いモンスターの視界を奪うことで逃げる時間を作る。

 ブラックカーテンでは匂いや音までは消さないので、相手の視覚を奪えるブラックアウトはかなり重宝するにゃ。

 先ほどは黒魔法が得意といったが、実のところは黒魔法しか使えないのが現実だにゃ。


「よ~し、あれが最後の部屋かにゃ~」


 金色の竜が装飾された赤色の扉……明らかにボスの部屋だにゃ。

 一応ボスの部屋の前までのマップピングでクエストクリアとしてこのまま帰ってもかなりの報酬を受けられるだろうがにゃ……。

 ボス部屋……そうこの先には必ず宝箱があるにゃ。

 財宝が必ずあるのだにゃ。

 クエスト内容にも探索している過程で見つかったモノは、持って行ってもかまわないとの表記があった。

 私は息を整えて、流れてくる汗をふき取る。

 私には……私にはお金がいるのにゃ。

 何よりお金がいるのにゃ。

 私のためではにゃい。

 家族のために金が要る。

 ボス部屋へと続く扉を開くと……。

 部屋の真ん中のところに宝箱があった。

 不思議だ。

 絶対にボス部屋だと思っていたのに、ボスらしき魔物はおらず。

 ただ宝箱があるだけ……。

 怪しいにゃ。

 私は近場にあった小さな石を拾いあげて……その宝箱に向かって投げつける。

 ……。

 …………。

 ………………反応はにゃい。

 つまりこの宝箱はミミックではにゃいということだにゃ。

 最高だにゃ!

 ボスはいない上に未探索ダンジョンの宝箱。

 宝箱もまた先ほどの扉と同じような金色の竜の装飾が施されており、明らかに豪華だにゃ。

 私はその宝箱に近づいて開ける。


「にゃああ、すごいにゃ」


 中には金銀財宝が入っていた。

 これなら、あの子達もおいしいものを食べれるにゃ。

 私はその宝箱を持ちあげ部屋を出て行こうとすると……。

 モンスターの雄たけびがボス部屋全体に響く。 

 声は後ろから響いてきて。

 部屋の扉とは真逆の岩壁から。

 モンスターが出てくる。


「ミ、ミノタウロス!し、しまったにゃ!トラップ型かにゃ!」


 あまりの嬉しさに基本中の基本であるダンジョントラップの確認を損なってしまっていたにゃ。

 私のそんな凡ミスで出てきてしまったのは、頭は牛、体は人間のミノタウロスというモンスターだにゃ。

 私のレベルでは倒すことなんて到底無理な相手……。

 ミノタウロスは咆哮と共に突進して来くる。

 私はすぐさまブラックアウトでミノタウロスの視覚を奪い避けたが……しかし……。


「ニャイッ!」


 ミノタウロスの角が私の腕にかすって血が噴き出る。

 かすっただけでこの切れ味……直撃でもしたら絶対死ぬにゃ……。

 ミノタウロスは視覚を奪われたことで周りのものに当たっては砕く、当たっては砕くという見境のない突進を続ける。

 今のうちだにゃ!

 そう思って私は宝箱抱えてその場を後にしようとするが……。


「しまっ!?」


 蓋が空いたままの宝箱から財宝がおちて音を立ててしまう。


「あぁっ財宝がっ!」


 私はすぐさま財宝を拾い、顔を上げたとき……。

 そこにはミノタウロスの頭があって、今まさに私を肉塊に変えるべく突進をすでに開始していた。


「あぁっ……」


 もう避けられない、先ほどみたいに運よくよけることは絶対にできにゃい。

 目の前にまで迫っているその二本の角をみて、私は絶望一色の顔色になり……そして。

(みんにゃ、ごめんにゃ……ダメなお姉ちゃんでごめんにゃ)

 心の中で家族に謝罪して目をつむって自分の運命を受け入れる。


「バカヤロー!死んじまうぞ!」


 そんな声と共に……半裸のエルフが吹っ飛んでそのままミノタウロスを岩壁まで吹き飛ばす。

 半裸のエルフはお金奪ったあの女だ、エルフの女はなにすんのよ!と激昂しており、女の視線の先にはあの男がいた。


「おい、怪我無いか?あぁ腕から血が出てるな……ヒール」


 無視すんなこら!というエルフの女を差し置いて、男は私の腕の傷をあっという間に治して、私を抱きかかえながら……話し出す。


「亜人種のキャットピープルか。お前の名前は?おれはカイトだ」

「アリだにゃ」

「そうか、アリっていうんだなよろしく」


 あぁにゃんだこれは……まるでおとぎ話で聞くようにゃ。

 お姫様と王子様の恋の物語の始まりのようにゃ……そんなロマンチックな展開だにゃ。

 カイトは私のことを強くつかんでそのまま私の顔を見つめてくる。

 うん、なかなか癖のある顔立ちだけど……嫌いじゃにゃいにゃ……。

 だめだにゃ、私は今完全に乙女の顔をしてしまっているに違いないにゃ……。

 恥ずかしくて頬が火照ってしまうにゃ。

 私の目をまっすぐに見つめてくるカイトはしばらくの沈黙のあと……口を開く。


「よしアリ、単刀直入にいうぞ」


 きっと愛の告白だにゃ……。

 あぁ、私の命の恩人である王子様が……私に愛の告白を……。


「金返せ!!この泥棒猫!!!」


 そうだったにゃ……。

 私はカイトに会って早々に罵られたのであるにゃ。


作者「ふーついに新キャラだ。猫耳だ!王道だ!ひゃっほー!」

アリ「なんなんにゃ、この変人は」

作者「おう、キャットピープルだ。きゃわいい、尻尾もふもふしてもいいかい?」

アリ「ち、近寄るにゃ。変態!」

作者「あっ、皆さん。いいなって思ったら、感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします!さあ!こっちにこいキャットピープルよ!」

アリ「こっちにくるにゃあああ!」


2026/1/28

ふぅ、本日5話目の修正リメイク……なんというか。

今日だけで短編一本分の分量を書いてるよ……。

まぁ、まだアリの初登場のお話がベースの文をあまりいじらずに済んだからほとんど労力はかからなかったけど……それでもつかれたなぁ。

一日10話のリメイクができれば、5日でトント王国編のリメイクが完了するな。

よし!がんばろう。

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― 新着の感想 ―
[一言] カイトとセレスでもっとら〜ぶら〜ぶ してほしいです。
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