王女の祈り
爆発音が聞こえた・・・遠くからだが・・私は魔法でハトに自身の視覚を授けて飛ばす
「サウザントアイも・・・・遠くなればなるほど精度が落ちますね・・・」
しかし・・見えてくる上空から・・見えてきたのは
「これは!狂王ウロス!・・・・何故」
狂王ウロス・・・魔王の襲撃だ。
私は部屋から飛び出し
そしてこのことを父上に伝えに向かう
すると・・・・父上の自室から声が聞こえてくる
「父上、魔王が何やら襲撃してきたようです。」
どうやらすでに襲撃にあっていることは分かっているようで・・・・
「息子よ・・逃げる準備だ。報告はすでに受けている、狂王ウロスの襲撃らしいな」
狂王ウロスからの襲撃だということも分かっているようだ。しかし・・・・
「ええ、その通りです。ですので・・常日頃から作ってあった地下通路もすでに完成しております。今ならお逃げになれます。借りを作る形にはなりますが、西の勇者に応援の要請を送るつもりです。ことがすべて終わってから父上は戻っていただければと思います。」
「そうか、ならば任せた。」
一緒にいるのは・・・キサクお兄様・・・・
・・・・・この国の王は・・・本当にもう・・国民の事をかけらも考えてない・・・私が・・娘だということが恥ずかしくなる・・
私、リリシャは父上と兄上のやり取りを覗き見ている・・・しかしもう我慢ができない・・・
「父上、国民を差し置いて、王が逃げるとはどういうことですか!?」
「リリシャか、なに王が倒れては国も倒れる、わしは何があっても倒れてはいけないのだよ」
そんな自分勝手な
「国とは!王がいるから国なのではない!民がいてこその国なのです!それを自分の身可愛さに逃げるだなんて!それでも父上は一国の王ですか!」
私が葛藤するのを兄上が止める・・・
「落ち着け、妹よ」
キサクお兄様は私に近づき・・・
「いくら親族でも王に向かってその言い草はなんだ。お前も王族の娘なら、もっと冷静さを保ってみろ。」
「しかし、兄上!」
「この国での法は父上だ。父上が言ったことはこの国では絶対なのだ。お前が言ったように、民がいてこその国だが・・・その民を導くのもまた王の役目、その王が死んでは意味がない、それに私は西の国からの援護も頼むつもりだ、別に国民を見捨てたわけではない」
「それは、兄上の策ではありませんか、父上の考えではありません」
「いいや、私はあくまでも提案をしたまでだ、そこからは父上の許可が必要だ。だからこの策は私の物だろうと父上が認めてくださらねば、ただの戯言になる。」
・・・・ああ言えば・・こういう・・キサクお兄様に口では勝てないわ・・・・
何か・・・何か、ないの!?
私がそう思っていると
「陛下!陛下!トント陛下!」
「なんだ騒がしい!」
この部屋に入ってくる新兵
連絡班の者のようで・・
「ただいま!一人の魔導士が応戦しているとの報告が入りました!」
「ふむ、そうか。しかし魔導士でどうにかなる相手ではない」
それは・・その通りだが・・魔導士?もしかして・・・
「しかし!その魔導士が狂王ウロスを押しています!」
「なんだと!」
「そんな、バカな、魔導士がたった一人で魔王と渡りあっているだと」
その言葉に驚くのは王だけではない・・・・キサクお兄様もまた驚きの表情を隠せないようで・・・
「しかも!この者!国で指名手配している者で!ブゥアカ王子から伝令でリブレにいたという情報もあります!」
指名手配・・・カイトだ!
「なんだと!リブレからスラムまでどれほどの距離があると思っているのだ!一日で移動できる距離ではないぞ!一体どうやって」
間違いなくカイトだ!不可能を可能にできる・・そんな規格外な魔導士なんてカイトしかいない
そこでふと私にとある考えが浮かぶ
「父上」
「なんだ娘よ」
「そのものに、一度任せてみてはくれませんか?」
私がそういうとキサクお兄様が食って掛かる
「何を言うかと思えば!ふっと現れた犯罪者にこの国の命運を授けるというのか!」
「兄上しかし!かの者は以前に100人以上はいた奴隷達を一気にどこかに隠しました。そのうえその奴隷たちはまだ見つかっていないとのこと・・・それ以外にも、この城からの脱出に加え、先ほど父上が申した、リブレからスラムまでの早すぎる移動、この情報だけでも・・・かの者が規格外の魔導士だと理解ができる!しかも今は魔王を押しているという情報まできました!彼なら!カイトならきっと魔王を倒せるはずです!!」
キサクお兄様は黙り・・・・代わりに父上が口を開く・・・
「いいだろう、しかし、彼らがやられたという情報が流れたら、わしは逃げるぞ」
王からの許可ももらった・・・
「ありがとうございます!父上!」
「仕方ない・・・しかし妹よ、もしその策が失策に終わったら責任は取ってもらうぞ」
「覚悟はできております」
私は壁の近くから戦うカイトたちのほうを向いて
お願いカイト!セレス!アリ!チィエラ!
「皆さん・・」
私は手と手を組み祈りを捧げる
「この国をお救いください」
彼らに国の命運を授けることにした・・・・
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