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魔法が使えないエルフと最強魔法使いの冒険譚  作者: タライ
トント王国編
44/413

セレスの覚悟・・・・・ほう

「ね・・・ねぇ、カイト」

「何?」

 宿の部屋へとワープした俺ら

 とりあえず少し休憩をと思っていたのだが・・・・

「どうして・・・お国の方がいるの?」

「・・・・えーっと、あんた誰?」

 アリ、セレス、チィエラは俺の背後に隠れてセレスは顔を覗かせる・・・

 俺らの目の前にいるのは明らかにお国の人だが・・・

 恰好が明らかに豪華すぎる・・・まるでリリシャのような・・・

「おい、貴様ら、王族に対して面を下げないとはどういうことだ。」

「あぁ~、あの愚王の息子か」

「貴様!今我が父を侮辱したな!あれでも王なのだ!侮辱はやめてもらおうか!」

「・・・・・あれでもって言っちゃってるじゃん・・・こいつもバカかな?」

 俺は後ろにいる仲間たちに聞くと・・セレスが目の前の王子を指さして

「きっとそうよ!バカに違いないわ!」

「お前が言うなよ」

「あぁ!」

 おっとしまったつい癖で・・・セレスを貶してしまった

 まぁ、仲間だからいいよな~

「それで、何の用です?」

「面を下げろと!言ってるだろう!下げろ!」

 俺が面倒くさいのでさっさと済ませようとしたのに・・・

 俺は後ろの仲間たちと顔を見合わせて・・・

「「「「マジ断る」」」」

「なんだと!王族に対する無礼!許すまじ」

「ブゥアカ王子いけません、ここには彼らを捕まえに来たので、王族の魔法の使用は避けてください。」

 魔法を発動する気でいた王子をいなす女性・・・緑髪で清楚な印象を受ける優しい顔立ちだが、信念のある目つきをしている。

 まぁ、一言で言うと、普通に美人ってことね・・・ムカつく・・この王子こんなバカなのにこんな美人にお世話してもらっているだと・・・・・

「爆発させてやる」

 その場の全員が驚く、そんな中アリが出てきて

「だめにゃ!カイト!それやったら国家転覆罪にゃ!やるにしても事故に見せかけて!」

「よし、それで行こう」

「ダメに決まってるでしょ!何しようとしてるの!?それにアリちゃんなんだか乱暴になってない?発想が怖いわよ!」

「・・・・・はっ!今ならだれも見てない!チャンスにゃ!」

「チャンスじゃないっち!だめっち!仮にも!王子っち手を出したらやばいっち!」

 王子に爪を突き刺そうとするアリをセレスとチィエラが止める

 ・・・・・ふーむ、だがいつもは冷静なアリがどうしたのだろう?

 なんだかな~何が何でもって感じがするな~

 そういえばアリは孤児だったな、もしかしたら何かあったのかもしれんな

 まぁ~何にしろ

「とりあえず、違うとこ行くか。ほらお前ら俺に捕まれ~」

 俺が呼びかけてもなおも王子に向かうアリをセレスとチィエラが俺のほうに連れてくる

 そして俺はワープを唱えて

「テレサさんの教会に~」

「なっ!ちょっと待て!」

 俺らは宿屋から逃げた



「サモン」

「わ~私の服~なんだっけ?ジャ~ジだっけ?」

「うんうん、そうだよ。いいから早く着ろ~」

「・・・・・・・あっち向きなさいよ」

「マジ断る」

「いいから向きなさい!何、堂々と覗きをしようとしてるの!」

「別に減るものでもないしいいじゃないか」

 俺がセレスの体から目を離さないでいると

「ダメよ!アリちゃん、チィエラちゃんお願い」

 セレスがそういうと二人は立ち上がり

「はいにゃ」

「はいっち」

 俺のほうに向かってくる

 もちろん俺は身構えて

「何をする気か知らんが、マリオネットで操ってやる!」

 俺がそう高らかと宣言すると

「ここの子達にあなたは実は覗きが好きな変態に仕立て上げるわよ」

 俺は固まる・・・

「だがこの現場を見られなければ・・・」

「あたちが、みんなの目の前でカイト様に裸で言いよるっち」

「着替え終わったら呼んでくれ」

 さすがに此処の子達に嫌われたくないし・・何よりチィエラなら本当にやりかねない・・・

 いやあいつなら絶対にやるな・・・

 

 俺らはこっちに移動した後にテレサさんに事の顛末を話して、しばらく此処にいてもよいことになった。

 ちなみにどうやら、魔力のある物でもサモンはできるようだ。

 ・・・・・俺が売った服も急にサモンしたら・・裸の女性が出るのかな?

「なに・・不気味な顔してるの・・・」

「おう、着替え終わったのか」

「えぇ・・まぁうん、終わったけどとりあえずその顔やめたほうがいいわよ」

 俺一体どんな表情になってんの!?

 そんなにひどいのか!?

「・・・・・・お、おう、入るぞ」

 俺は部屋に入り

 そしてシーツを使っていつものように宙に浮く

「それで~これからどうする?」

「う~ん、この国は出たほうがいいかも、此処の子達も元の場所に戻すって約束したんでしょ?」

「それもそうだよな」

 他の国へか・・・それにはちょっと問題が・・

「俺らの中で身分を証明できるやつ一人しかいないじゃん・・・」

「そうにゃ、どんな国に入るのにも必ず身分を証明しなければいけないにゃ・・よ」

 そもそも俺はこの国に転生されたからこそ面倒くさい登録の作業は必要なかったが・・・此処の子達をもとの場所に戻すとなると・・・身分を証明できるものは必要だ・・・

 でも全員が手っ取り早く身分を証明できるには冒険者の登録が一番だが・・・

 俺はセレスを見る

 するとセレスは微笑んでから

「なに、心配そうな顔してるの?良いわよ私の事なんて」

「いいわよって・・お前俺が何考えてるのか分かるのか?

「冒険者の登録でしょ」

 俺は久々に思った・・・そうこいつは貴族の生まれだ・・・バカだバカだとは言っているが

 こいつは頭がいい、頭はいいが行動がバカなのだ・・

「でも、ここの全員が冒険者になるってことはお前もで・・・魔力が」

「ないのがばれるわね・・いやな思いもたくさんするかもしれないでしょ?あんたって意外と考えが単純だから読みやすいわ・・でもね」

 セレスは立ち上がって、俺の近くに座ると

 俺の手を取って自身の頭の上に置く

「この手が、私を助けてくれたの・・・私の命を、私の心を・・・・それに仲間になった、なってくれた。私にこの服を与えてくれて・・・本気で助けてくれてるのが伝わって・・・・気の許せる仲間もほかにいて・・・心配することなんて何もないわ・・だって魔王の城からですら私を助けてくれた。私は・・・私はみんながいればそれでいいから」

 セレスは笑顔のまま涙を流す・・・これが・・・・セレスの覚悟・・・

 俺は目をつむりこいつと初めて会った時のことを思いだす・・・・

 ボロボロの服に・・傷ついた体と心・・そして感謝の言葉・・・

 俺は乗せられた手を動かし、セレスの頭をなでる

「そうだな・・・仲間がついてる」

 俺もまた二人に感謝したい・・・二人はセレスを蔑みはしなかった・・・セレスの秘密を知ってからも仲良くしてくれている・・本当に良いやつらだ・・・少し変だがな・・

「なら、善は急げだ、行こう」

 皆が賛成の声を上げて・・・その場を立ち上がると・・・

 遠くのほうから・・・爆発音が聞こえる

 何事かと思いみんなで外に出ると・・・・

「あ・・あの、狼煙は」

 紫色の狼煙・・・それを見て周りにいた人たちが・・・各々に声を上げる・・・

「襲撃だあああ」

 え~・・・このタイミングで・・・


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