表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法が使えないエルフと最強魔法使いの冒険譚  作者: タライ
トント王国転覆偏
259/413

本物の英雄

「…ここ、どこ?」


 セレスがそう溢すように言うのと同時に、他の者たちも周りを見始める。

 比較的近場にいたアリが、セレスのもとに駆け付けて

 そして、続いてチィエラと、タマがセレスのもとに集まる。

 モーノは自分の猿たちにお願いして、周りの確認を任せているようで、まだセレス達のところに集まるほど手が空いてないようだった。

 しばらく、そこで待っていると


「よぉ」


 空から、カイトが降りてきた。

 地上に軽く着地したカイトは他の皆にここがどこなのかと、そして自分が何をしたのかを説明し始めた。


「まず、最初にワープした。マリオネットでマーキングを作ってそれから、国ごとね」

「国ごとって、あんたほんとにわけわかんない」

「うるせぇよ、セレス、黙って聞いてろ。」

「はいはい」

「んでな、サータンがプレート持ちのやつらに爆発する呪いをかけたって言ってたから…」

「爆発する呪いかにゃ!やばいにゃ!今すぐ逃げるにゃ!トンずらこくにゃ!」

「うるっさい!このバカ猫!落ち着け!」

「にゃ!バカはセレスだにゃ!私はバカじゃにゃいにゃ!」

「なんですって!このヤンデレキャットピープルが!」

「何するのにゃ!このエロフ!」


 喧嘩を始めた、二人のアホは無視して、話しを落ち着いて聞いてる二人に向けて説明を続ける。


「そんでな、呪いをかけたって言ったから、マーキングした時に、呪いを解除できるように仕組んでおいた。そんで、ここはタイタニア付近の岩山だよ。」


 俺がそう説明し終えると、タマがすぐに跪き


「さすが、殿!その知略、民を魔王の自爆から救うだけではなく、魔王に加担した反逆者にもお慈悲を与えるとは!このタマ、より一層の忠誠をここに誓います!!」

「う、うん、とりあえず跪かなくていいよ。」

「っは!」

「カイト~、そこは、面を上げてもいいっち、っていうっち!」

「おう~、俺の口癖はお前のように、なんとかだっち、とか変な語尾じゃないから、言いません~」

「変じゃないっち!」

「はいはい、変態子ちゃん、あちらに喧嘩中のお恥ずかしい仲間いますよ。」


 俺がそう言って、喧嘩を続ける二人を指さすと


「「誰が、恥ずかしい仲間よ!」」

「お前らの事だ!周りを見やがれ!」


 俺がそう言った途端に周りを見始める二人、周りではすでに幾人もの人が立ち上がっていた。

 いまだ倒れている人は、ワープの衝撃に耐えられずに気絶している者が多いが、大半はすでに意識を取り戻している。

 そして、その大半が俺らのほうを見て、口をあんぐりと開けている者がたくさんいた。

 おそらく、セレスとアリの喧嘩を見て、呆れているのだろう。


「みんな、呆れてるな」

「いえ、殿あれは…」


 タマがその続きを言う前に、口をあんぐりと開けていた者たちは、大手を振って、そして歓喜の声を上げる

 そのうちの何人かが俺のほうに来ると


「英雄様だ!」

「空を駆け、大地を震わし、そして魔王を幾人も倒した唯一の人物!」

「英雄様よ!」

「意外とぱっとしないのね」

「おぉ、あのエルフ!すげぇ体!」

「あのキャットピープルの子も可愛いぞ!」

「なんだ、あの目つきの悪い高身長の女性は?すごい美人だな」

「ドワーフの子の胸でっか!」


 なんだか、いろいろと声が聞こえるな…って


「誰がぱっとしないって!言ったやつ出て来やがれ!そこは嘘でも、きゃ~かっこいい!言ってみやがれ!」


 すると、棒読みで近場にいた女性たちが…


「キャーカッコイイー」

「殺す!そこに並べ!このビッチども!」

「ちょっ!自分で助けておきながら、ちょっと情緒不安定過ぎない!落ち着きなさいって!」

 

 今にも棒読みでそう言ってきた女性に殴りかかろうとする、俺を止める仲間達


「っていうか、英雄とかいうな!俺はお前たちを助けたくて助けたんじゃないんだ!ここにいる俺の仲間達を助けたくて、そいつらの居場所を守りたくてこの国を救った!だから英雄とかいうな!」


 俺がそういうと、周りで、歓喜に震えていたトント王国民たちが一斉に黙る。

 俺は、そいつらに背を向けると


「本物の英雄だ。」

「自分の功績を押し付けないなんて」

「なんか、顔は微妙だけど、カッコイイかも」


 顔は微妙だとか言ったあの女性はあとで、分からせてやるとして

 再び、歓喜に震える国民達

 俺はそんな国民達に背を向けて、トント王を探し始めた。



ふぅ~、あと数話でトント王国転覆偏が終わる。

あぁ、のちほど章管理で変えておきますね。

だいぶ予定が狂わされましたけど、まぁなんとか綺麗に終われそうでよかったです。

終われるよね?うん大丈夫だ、きっと大丈夫だ。

などと、自問自答をしてしまう自分に若干引きながらも、作品投稿を頑張っていきます。

それでは、皆さん、もしもいいなって思ったら、感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします。

そんじゃ、また明日。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ