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魔法が使えないエルフと最強魔法使いの冒険譚  作者: タライ
トント王国編
24/413

魔法が使えないエルフと最強魔法使いの出会い




 一人の少女がいた。

 少女は魔法がすべての世界において魔力を持たずして生まれてしまった。

 そして、そんな少女の家系は王族も一目置く最高位の貴族家系でありながら、とある国の大使でもあった。

 そんな家系に魔力を持たない、子供ゴミが生まれたら

 その家系の者達は一体その少女をどうするのであろう



「…ウサギさん」

 

 手にはボロボロになったウサギのぬいぐるみ

 まるで私のようだったからつい家のごみ箱から持ってきてしまった。

 私の部屋は地下にあり、部屋からは週に一・二回しか出られないが、地下室に入る前の一部屋にしか行けない。

 そこにはゴミ箱などがあり、そこには時折ウサギのぬいぐるみのような玩具や、本などが捨てられていた。

 私には一応、名前がある。

 親が万が一のために名前は必要だろうと、名前をつけてくれた。

 私はセレスティーナ、貴族の娘だ。


「うっうっうぅう、どうして私には、魔力がないの?」


 私は手に持ったウサギに涙をこぼしながらそう聞く、しかしぬいぐるみであるウサギは返事をしない

 食事は、朝と夜の二度で

 歯型のあるパンなどで、おそらくは上の人らが残したものだろう。

 私はつい先日まで人は朝と夜にしか食べないのだと思っていた。

 でも違った。

 一回だけ、勝手に部屋を出たことがあり、まだ夕ご飯の時間にもならないというのに、家族が楽しそうに食事していた。

 私はその時初めて昼ご飯というのがあるのを知った。

 そして、兄弟たちは綺麗な服を着ていて

 私は、小汚い服を身に着けていた

 しかも、その時が初めてなのだ。 

 兄弟の顔を見るのも

 初めて見たはずなのにすぐに兄弟だと気付いたのは、私なんかよりもきれいな服を着た女の子の髪色が私と同じだったからで

 男の子は私と同じ目の色だった

 その男の子よりも一回り小さい子は、髪の毛のくせが私そっくりだった。

 兄弟達は髪の毛や服装がボロボロな私を見て、怖がった。

 父さんはすぐに私を抱き上げる

 本当に久しぶりだ、父さんに抱き上げられるのも

 しかし父さんはそのまま私の部屋まで行くと

 私を地面に投げつけて


「勝ってに出てくるな!このゴミが!私の子達をおびえさせるなよ!」

「お、お父さん、私もお父さんの子だよ。」

「うるさい!お前は私の子ではない!お前の父でもない!」


 そう言って父さんは扉を強く閉める。

 私が15になると

 いつもなら開かない時間に扉が開いた

 私は誰かと思い扉を見ると


「おい、ゴミ、ちょっとよ~的あての的になってくれないか?」

「えっ、そんな、い…いやだ」


 兄弟達は全部で三人

 長女の私と、長男、次男、次女で私を含めれば四人の兄弟姉妹になる。

 でも、私は兄弟達の名前すらわからない。

 兄妹達に石を投げられ、痛さに叫ぶ私

 血が滲んでくる、痛い痛いよう。もういや、どうして。こんな

 18になると父さんが私を家から出してくれた、18になる間も兄弟達からの暴行は止まなかった。

 家から出ればやっと全部終わるとそう思った。

 初めての外の世界

 綺麗、眩しい、広い

 私がそんなことを思っていると


「もう、どこへでも行け、その体なら、問題なく稼げるだろうよ」

「えっ?なんのこと父さん。」


 私はそう、気になっていたことだ。 

 家にいたときも私の食事を運んでくれていた。

 メイドの女性たちの体と自分の体を比べても

 自分の体がおそらく女性の中でも、いわゆる

 男の視線でいい体つきをしているのだろうと

 そして、一台の馬車が家の前で止まる、というより私とお父さんの前で止まる。

 父が馬車の手綱を持っている人と話しをする。

 その内容は


「好きなように使ってくれ、見てくれも体つきも君の店の中でも上位に入るだろう。」

「ええ、なかなか素晴らしい。まずは私が頂きます。旦那にこの女の儲け分の2割で宜しかったですね。」

「ああ、それでよい、使い道のないゴミとばかり思っていたがまさかこんな形で役に立ってくれるとはな」


 内容を聞くからに売春、いわゆる風俗の事だろう。

 私は抵抗する気も起きずそこからの地獄に生きることのみ考えて必死に生きた。

 初めてを最悪な気持ちで奪われても耐えて

 どんな扱いを受けようが耐えて

 耐えて、耐えて、耐えて

 ひたすらに耐えて、私は機会を探した。

 逃げ出す機会を、救いの時を。

 そしてついにその日が来た。

 私は風俗店の人から逃げることに成功する。

 しかし、行く当てのない私はどうすればよいかと裏路地で膝を抱えて

 そして現実のすべてを諦めていた。

 きっとそのうち見つかる。見つかったら次はもう二度と


「ヒール」


 私がそんなことを思っていると

 痛かったはずの傷が消えている…いや治っている。心の傷も癒えた気がする

 そして、顔を上げると

 そこには悪人面だけれども

 今まで見たことのないような表情を私に向ける人がいた。

 その人はその後何も言わずに立ち去っていく

 私は追いかけた、必死に追いかけた。

 私が監禁されていても言葉を話せたのは、時折家の本を自分の部屋に運んでいたから。 

 それを読んで何とか言葉を覚えて、いろんな知識をつけた、特に魔法の知識を

 だからこそ知っていた。

 ヒールという魔法は、かなり高位な学問に接していいないと使えないことに

 あの人は私なんかのためにそんな高価な魔法を使ってくれた。

 だから、頼りたくなった、すがりたくなった。

 きっとこの人なら私を、助けてくれる。

 自分のわがままだということは知ってる、すでにヒールの魔法をかけてもらい助けてもらったのに、しかしそれでも、せめて一言お礼を言いたかった。

 そしてやっと追いついた頃には街を出ていた。


「なんだよ。」

「あ、あの、そのありがとう」


 私は言いながら涙が出てきた。

 その人はまたも先ほどの表情で私を見る。


「はぁ、はいはい、どういたしまして」


 私は決めた、でも断られたらどうしよう、でも、私は!


「あの!仲間にしてください!」


 その人は少し驚いたような顔をしてから


「いいよ。来なよ。お前、名前は?」

「セレスティーナ!貴方は?」

「カイトだ。海の人と書いてカイトな」


 カイト、そう、カイト。


「よろしくね!カイト!」


 私はこの時初めて笑顔を人に向けた。

 そして、カイトの事を好きになった。


 個人的には、かなり暗い話ですが、でもこれは書かなければいけない話ではあるので、ここで書かせていただきました。

 セレスとカイトとの出逢いに加え、セレスの過去

 もしもいいなって思ったら、感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします。

 んじゃね~

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