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魔法が使えないエルフと最強魔法使いの冒険譚  作者: タライ
トント王国編
18/413

500年の努力の結果

 


金属が擦れる音が幾万と聞こえるとある平野に

 一体の…魔王がいた。

 狂王ウロス

 それが魔王の呼び名だ。


「…まだか?」

「はい、まだです。」


 狂王はなにかを待っているようだ。

 即席で作られた王座に座するウロスは退屈そうに平野の先にある帝国を見据えていた


「まだなのか?ヒノコは?」

「はい、そろそろ到着するころかと」


 ウロスのそばに控える側近のヴァミーヤ

 ヴァミーヤは人間と鳥が一体化したハーピーという種族だ。

 そしてそのヴァミーヤの視線の先には体から火が出続ける魔物、ヒノコがいる


「やぁ、ウロス様、来ましたよ~、今回の標的は帝国だそうで」

「あぁ、そうだ。今回の標的は帝国だ。」


 ウロスはヒノコにそう言いながら玉座から立ち上がり


「これで幹部は全員集まった。500年…500年か長かったな、ついに帝国に我らが攻撃を仕掛ける、我が軍10万と2千で仕掛ければ勝てる。そして我が軍の幹部達よ。私ほどでなくともその恵まれた魔力量を持つ、強大な力の12の幹部たちよ、暴れるがよい!」


 10万を超える軍の者達が地鳴りのような声をいっせいに上げる

 そして歩き始める軍隊

 ウロスも歩を進めようとして…


「なんだあれは?」


 空を見るウロスの視線の先には…シーツが浮かんでいた。

 風で流れてきたのであろう、そのシーツに若干の違和感を覚えたウロス

 そう思ったウロスはヴァミーヤに確認してくるように命令する


「かしこまりました、見に行ってきます。」


 翼をはためかせ一気に空をかけるヴァミーヤが見たものは…


「これは…人間か?よだれを垂らして寝ているのか」


 だらしなく寝ている人間の姿だった…


「何がいた、ヴァミーヤ」

「人間です!アホそうな人間です!」

「誰がアホか!」

「わっ起きた!」


 アホと呼ばれ、飛び起きる人間は怒った顔でヴァミーヤの体を隅から隅まで見ると


「お前、その恰好エロイな」

「なっ!」


 ヴァミーヤは現在戦闘服を着ていてその戦闘服はヴァミーヤの飛ぶ速度を少しでも上げるためにかなり面積が小さくなっている

 なので女の子が隠す必要のある場所以外はほとんどがさらしてあるといった状態だ。


「これは、ウロス様が私のために作ってくれった装備よ!それをエロイだって!私の腹に収まれ人間が」


 ハーピーは雑食なのだ。


「えっ!そうだったのか、それは悪かったって口開けるな!オイやめろシーツに噛みつくなって、ここどこだ?」

「えっ、いまさら…」


 人間が突然素っ頓狂な事を言うものだから、ヴァミーヤも思わずきょとんとしてしまう

 何なんだこの人間と思うヴァミーヤは、構わず攻撃をしようとしたところ

 人間が、シーツから顔を出して下を見る


「うおっ、めっちゃ魔物いるやん」


 下にいる10万以上の魔物の大軍を見て、絶望するどころか

 金銭欲におぼれたような目をしだした人間にヴァミーヤが得意げに言う


「ふん、その目はなんだい、あんた一人でどうにかなる量じゃないでしょ、いいからあんたは私んおお腹に収まりなさん~!?」

「あっ、ちょっと静かにしてくれる。」


 急にしゃべれなくなった事実に驚くヴァミーヤ、まるで口が縫い付けられているかのように開かず、焦ってると

 下方からウロスが声をかけてくる


「おい、ヴァミーヤ」


 主であるウロス様が話しかけているが口を開けないヴァミーヤは、主の問いに返すことができず

 不審に思うウロス


「おう、なんかすごい見た目のがいるな…」


 人間はウロスに視線を向ける


「うわぁ、これってもしかして魔王軍かぁ、面倒くさいな」


 人間は、心の底から面倒くさいということが周りにもわかる表情をする

 そして、ヴァミーヤに答えないことにしびれを切らしたウロスが傍にいた魔物サーペントの変異種であるツチノコに命令する


「おい、ツチノコあのシーツを落とせ」

「御意!行くぞ!ツチノコバスター!」


 ウロスの率いる12幹部の中でも随一の攻撃力を誇るツチノコが尻尾をドリルのように高速回転させて、シーツに乗っている人間事貫かんとする


「ん?なんかあいつ攻撃を仕掛けてきてるな、まぁ正当防衛ってことで許してね」


 人間はツチノコに向かって、手のひらを向けて構える

 すると人間の手のひらの周りで水色の魔力と赤色の魔力が融合して紫色になる


「ミニ水素爆破」


 人間が小声でそう唱えると、ツチノコが跡形もなく爆散する

 爆発の後にものすごい衝撃が辺り一帯に広がり

 人間の攻撃一撃で、ウロスの軍の幹部一人と、数十名の上級魔物が息を引き取る


「ん~!?」


 魔王軍の幹部や、付近の上級魔物も巻き込んで一気に倒した人間の魔法に驚きを隠せないヴァミーヤ

 驚きを隠せないのは、ウロスも一緒ですぐに他の者に命令をする


「バカな!ヒノコ!」

「はい!このやろー!ツチノコの仇だ!」

「えー、あまりミニ水爆は使いたくないんだよな、ってか全身燃えてるじゃん、それならアクアプリズン」

「ぶほっ、んぐぐうぐぐうぐう、ごばおぉお」


 ヒノコも四角型の水の中に閉じ込められておぼれ死ぬ

 魔法によって作られた水なら、魔法によって燃えているヒノコは蒸発させることは他愛もないことだが、込められてたい魔力量が桁違いだったため、水を蒸発させられなかった

 ヒノコの特性を知っていた、幹部やウロスがまたも幹部をあっさりとやられてしまった現実に、驚きを隠せず


「そんな、バカな…あ、あれを打ち落とせ!」

「うわぁ、なんかめんどくさいこと言いだしたな。逃げよう、えーっとあっとここならあれが使えるな巻き込まれるのは魔物とかモンスターだしいいか、それより方向が、あっマナサーチを使えばいいかうーん…いた、すごいなあの神具ここからでも見えるよ。ん?あの奥に見えるのは違う国か、まぁいいや行くのはそっちじゃあないし」


 人間は何やらブツブツ話していて、何かが決まったのか急にシーツの上で立ち上がると


「じゃあ、もう話していいよ。俺帰るから、じゃあの。」


 そう言ってから、人間がシーツと共に落ちていく

 その光景を見て、初めてシーツにも魔法がかかっていたことに気づく一同

 しかし、そんなことに気を盗らているわけにはいかない

 すぐに、冷静になったヴァミーヤが人間の後を追う


「あっ!コラ待ちなさい!」

「緑魔法フライ!」


 人間の周りに風が集まり始めて、微風がやがて強風に強風がやがて暴風になり、大地を削るほどの風を纏うと、そのままとある方向に飛んで行ってしまう

 そして人間の通った方向にいた、魔王軍の兵のほとんどを巻き込み

 残ったのは…幹部三名とウロスだけだった

 人間が去った後の現状を見て、ウロスは思わずめまいがして膝をつく

 そして、ぼやくように言った


「我々の500年が…こんな、こんな」


 震える声で、空に向かって顔を見上げると


「ふざけるなあああー!!」


 ウロスの怒号がしばらく辺り一帯にこだました。

 ウロス可哀そうですね(笑)

 ですが、こんな感じで魔王軍とのちょっとしたからみも基本的にはギャグで進んでいきます

 もしもいいなって思ったら感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします。

 んじゃね~

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