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魔法が使えないエルフと最強魔法使いの冒険譚  作者: タライ
トント王国編
15/413

マザーとアリ

 この孤児院には多種多様な種族の捨て子が集まる

 孤児院の子らは、里親が時々見つかりはするが、それは極少数だ。

 見たところ悪い子がいるわけではない、それでも里親になろうという人が少ない理由はきっとあの病気のせいだろう。

 白円病はくえんびょう、伝染型の病気。

 ここの子供達を見てみると、その症状が見える子供たちが複数人いる。

 きっと、その病気が原因で捨てられた子達がここに幾人か集まっているのだろう。


「マザーお久しぶりにゃ!」

「あら~アリお久しぶりじゃな~い」

「なんか、変なしゃべり方の叔母さんだな。」


 俺とセレスはアリの背後で少し前を行くフミンにびくびくしている。

 マザーと呼ばれた修道女の老婆で、紺色の制服を身に着けており、たれ目ですごく優しい印象を受ける

 後数十年若かった姿を見てみたかったな、きっと美人だったに違いない


「カイト、失礼じゃない独特なじゃべり方をする叔母さんでいいじゃん」

「二人とも失礼だにゃ」

「あら~別にいいわよアリ~、それよりも三人ともお腹すいてない?ちょうどお昼にするところだから一緒に食べていきなさいよ」


 マザーに案内されて、食堂へと向かうとすでに席の半分が埋まっていた。

 入る前に幾人かの子供達が移動していたのは昼食だったからか

 俺達もマザーにあてがわられた席について

 マザーやアリ達に合わせて祈りの言葉を口にしてから

 食事を始める。

 今日の献立は、ミートボール、スープそして、パンだ。

 

「あんだよ!あっこのやろ!俺のミートボールを取るな!」

「にゃああ、服にソースが着いたにゃ!セレスちゃん落ち着いてにゃ!」


 ミートボールが相当おいしかったのだろう、セレスが俺のミートボールを奪いに来やがった

 俺のミートボールを取ったのちに垂れたソースがアリの服につく

 俺らのそんな様子をみて笑顔を向けるマザー

 まぁ、周りの子供たちは、あいつら何やってるんだって目で見てきてるけど


「あの、アリちゃんにね~こんなにも気を許せる仲間ができるなんて、私うれしいわ~」


 笑顔でそういうマザーだが

 アリの事で、マザーの言葉に少し引っかかりを覚えた俺が気になって

 マザーに聞いてみると


「マザー、アリって昔はどういう子だったんですか?」

「うふふ、アリはね恥ずかしがり屋でね、昔から一人でいることが好きでね~、誰かと一緒にいるということをあまりしなかったのよ、それなのにあなた達には気を許している。アリはあなた達に相当の好意を持っているようね~」


 昔を懐かしむように、でもその記憶が決して悪い物だけではないという、そんなマザーの気持ちがひしひしと伝わってくる

 俺はちらっとアリを見ると

 顔を真っ赤にして耳まで真っ赤になったそんな顔で


「ち…違うにゃん!」

「そうなの~、私もアリ大好き!」


 セレスが口元をミートボールのソースで汚したままアリの頬にキスをしようとする

 そんなセレスの口元にアリは自身のハンカチを押し付けて


「口拭いてにゃ!」

「ん~ありがと」


 俺は気にせず、食事を進めていく

 食事が終わった後、俺らは応接間のほうに連れていかれた。

 そこで、持ってきた金貨を渡す


「あらあら、こんなに大金を…ありがとうねアリ」


 申し訳なさそうな、そんな表情で言うマザーにアリが言う


「いいんだにゃ、いつも言ってるけどにゃ、これは恩返しだにゃ」

「恩返しだなんて、とっくに返しきっているよ、本当にありがとね、これでここの子供達のためにもう少しいい設備を用意できるわ」


 親孝行か~、アリも若いのにいいやつだな

 まぁ、方法はあまり人に言えたもんじゃないけどな


「今回はにゃ、仲間のカイトと…セ、セレスも一応手伝ってくれてにゃ、だからこれからは毎月これくらいは持ってこれるにゃ」

「ちょっと!私だけ一応ってどういうことよ!」

「ほんとの事だろ、お前まともにスライムすら倒せないくせに」

「なんですって!」

「事実だからな、これ以上何か言おうものなら、外に放り出すぞ」

「分かったわよ!今回の手柄は4・3・3・でいいわよ、ちなみに私が4ね」


 セレスを外に放り出した俺らは、そのまま会話を続ける


「アリ、この後どうするの?」


 マザーがアリにそう聞くと、アリは少しばかり考えると


「そうだにゃ、しばらくはカイト達と一緒に行動しようと思うにゃ」

「そう、カイトさん」

「はい、何でしょうか?」


 マザーが俺に話しかけてきたので、言葉を返すと

 マザーが急に頭を下げた

 マザーの行動に驚いてしまった俺とアリ、ついでに窓の外からこちらの様子をうかがっているセレスも驚いていた。


「アリのこと、どうぞよろしくお願いします。アリは私達のために小さなころから大変な思いをたくさんしてきた子です、私やこの孤児院にいたお兄さんやお姉さんではアリを守ってあげれるものはいませんでした、だからカイトさんあなたが、アリを守ってあげてください」


 小さい頃から、孤児院のために大変な思いをした?

 切羽詰まったようなマザーのその言い方に、俺の知らないアリの過去があることを知る。

 アリもそんなマザーの様子に何も言うことなく、ただ俺のほうを見つめてきた。

 捨て猫が飼い主に捨てないでというな、そんな表情で見てくるものだから


「はぁ、まぁ任せてください。どんな奴でも俺の仲間になれば、命を懸けて守りますよ。」


 俺のその言葉を聞いて、安心したようにマザーが立ち上がると


「今日は、止まっていきなさい。お部屋のほうは用意しておきますからね、アリは前に使っていた部屋を使ってね~」

「あぁ、ありがとうございます。」

「分かったにゃマザー」


 マザーはそう言うと俺とセレスの部屋の鍵を渡すと応接間から出て行った。

 窓の外を見ると、セレスが子供達と楽しそうに遊んでいたので、放っておいて俺はトイレに向かって、アリは自身の部屋に向かって行く。

 俺も、トイレが終わった後に、あてがわれた部屋に向かう

 渡された鍵には、211と書かれていた。

 きっと寄宿舎の鍵だろうと思い、向かう

 鍵に書かれた部屋番号と同じ部屋の鍵を開けて中に入ると…


「あっ」

「にゃっ」


 着替え中のアリと目が合った…

 俺はその時心の底から 


 いろんな話を、再編集しているのですが、こちらの話し

 以前の形がほとんど残っていなくて、編集後大爆笑してしまいました。

 まぁ、それほど穴があったのでしょうね~

 こうやって、穴を防げるようになったのを感じると、自分も小説家として成長したなぁ~っと時折思います。

 まぁ、デビューできていないので、まだまだではありますがね

 それでは、もしもいいなって思ったら感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします。

 んじゃね~

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