行きたくないよ!行くんだよ!
「カイト、タマほんとにあそこにいるの?」
不安そうな口調で俺に聞いてくるセレスに、俺もセレスと同様に不安な口調で言ってやる
「ざ、残念ながら、いるよ。あそこに」
腰がすくみそうになる、ような事実が目の前に広がっていた。
先に言っておくが、ホラー映画や小説などにあるファンタジーな恐怖ではない
俺らが直面している、恐るべき事実は、もっと現実的な恐怖だ。
セレスは俺の袖を掴み言う
「わ、私新しい服が欲しいから、帰るね。」
お前、ジャージから着替える気ないじゃん
そんな、明らかな嘘をつくセレスの脳天にチョップを一撃叩き込む
そして、俺は笑顔で言う
「だめ。」
「い!嫌だわ!私あんなところに入りたくない!死にたくない!私まだピチピチの美女なのよ!私の人生はこれからなのよ!」
「俺がいれば死ぬなんてことはまずないからら!いいから、行くぞ!おい!逆方向に飛んで逃げるなよ!」
言い忘れていたが、俺らはまだ空中にいる。
空中にいて、遠目からも明らかに危険だと分かる、そんな場所にタマはいた。
いや、正確にはタマの姿は見えてない。
俺がマナサーチで、タマの魔力を見て、場所がわかっているだけだ
さぁ、では、散々引っ張ったが、空中にある、一目で危険だと分かる場所とは
「私、雷雲なんかに自分から入るつもりはないわよ!感電死しちゃうじゃない!」
「しないよ!いいから!俺に任せろよ。最高の作成があるだ。」
「カイトの作成って毎回私が危険な目にあってる気がするんだけど!?大丈夫?私は危険な目に遭わないよね?」
俺は無言で目を背けて
「マリオネット」
無言でセレスを縛る。
「いいいいいいいやあああああ!ちょっと!せめて私の安全は保証してよ!いや!いやああああああああ」
「さっきから、大丈夫って言ってるだろうが!少しは俺を信じたらどうだよ!」
そう言って俺は雷雲に突っ込む
驚くほど簡単に雷雲に入れた事に俺は驚く、暴風がくると思っていたのだが
もしかしたら、魔素操作でフライによる、暴風を制御しているから、周りの風の影響を受けないのだろうか?
俺は場違いにも、雷雲の中でこの事について考えてしまう、すると考えるために止まった俺の隣を一筋の光が通り過ぎる。
光の後に地響きのような轟音が聞こえてくる
「ひっ!」
驚くセレスは顔を真っ青にして俺に本当に大丈夫なのかを視線どころか顔全体で伝えてくる。
なんだ、その面白い表情は、怒るのか悲しむのか慌てるのか怖がるのか、どれか一つにまとめて欲しい
しかし、俺がセレスの表情にどう突っ込もうか悩んでいると
直感のようなものが働き、右に逸れる
すると、俺がいた場所を雷が通る
「あっぶねー、ん?」
無事雷を避けはしたが、疑問符が浮かぶ
直感が働いた程度で、雷は避けられるものか?っと
自分の力が規格外だからと言って、自然の現象に勝てるなどとは、全く思っていない
まぁ、自然現象におもいきり逆らっている魔法という技術を使っておきながら、今更なんなんだって言うかも知れんが
魔法を使用したとしても、自然現象に逆らえるだけ、勝てはしない。
俺が魔法の力のみでは空を安全に飛べないのとは同じように
先程の雷が来る前に俺は、何かを感じた。っというよりは、見えた気がした。
雷のように素早い魔力の発動を
仮に先程の魔力が、魔法なのであれば、事前に察知して避けれたことにも、納得が出来る。
しかし、それなら、問題は誰が?っと言う事になる。
まず、タマはないだろう。タマは基本的火で戦うスタイルだ。
俺は、マナサーチの質を良くして、周りをよく見る。
見慣れたタマの魔力とは、別に
「もう一人いや、もう一匹だな。」
空に浮かぶ二つの魔力のうち、見慣れない方に、俺は手を向けて
「くらえ!水爆!」
俺の十八番を放ち、周りの雷雲が一気に晴れていく。
そして、見えてくるのは、ドラゴンと化したタマに、全体的に黄色のドラゴン
タマと違い、ツノが二本頭部から生えている。
そして、お互いに何が起こったか分からないと言った様子で周りをキョロキョロする。
タマは俺を見つけると、人間の姿になって
「殿!ここは危険です。」
「大丈夫、雷雲はもう消えたし、あとはあそこのドラゴンにお説教をしてやる。」
俺はそういうと、腕をまくったのである。
作者「気に入ってくれたら、感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします!」
カイト「今日は真面目だな。どうした?」
作者「真面目にしてたら、心配されるって、どういうことだよ!」
カイトくんあんたが普段からシャキッとしないのが悪いんだろ!」
作者「うるさいな!読んでくれありがとう!」
カイト「また、こいよ〜」




